5Gの経済効果と米中貿易摩擦の影響度

中国で5G商用サービスが正式に始まれば、通信設備やITサービスに対する需要増加のみならず、さまざまな新興企業やイノベーションが生まれる可能性もあります。

政府系の研究機関である中国情報通信研究院は、5Gについて、2030年までに16.9兆元(直接と間接効果の合計、約254兆円)の経済効果と、約2,000万人の雇用創出効果があると試算しています。

5Gの経済効果

この中で、通信設備やスマートフォンのメーカーに対する直接的な経済効果が特に大きく、ファーウェイやZTE、ファイバーホーム・テレコミュニケーションなどの企業が恩恵を受けそうです。

昨年から米国がZTEやファーウェイに対して米国製部品の禁輸措置を発動し、米中貿易摩擦が中国の5G展開に影響を与えるとの懸念が高まっていますが、その影響は限定的とみています。

米国の制裁によって、基地局用半導体チップや高周波フィルターなど5Gの通信設備に必要な部品が供給されない可能性はあるものの、すでにファーウェイは米国製部品をほぼ使用しない5G基地局やハイエンドスマートフォンの量産に成功するなど、以前に比べて対米依存度が大きく低下しています。

今後、中国で5G向けの投資が拡大すれば、半導体や電子部品の国産代替が進み、脱米国の動きがさらに加速することになりそうです。

<文:市場情報部 アジア情報課 王曦>