はじめに
収入を増やし私的年金でカバー
アラフィフ世代の場合、会社員夫と扶養内でパート妻という夫婦も多いかと思います。特に50代になった妻の場合、今さら扶養を外れて働くつもりはないかもしれません。
しかし、前述のケースを見てもボツイチの年金受給額では少し心許ないと感じられる人もいるのではないでしょうか?その際、老後資産を増やす方法の一例を挙げてみたいと思います。
①収入を増やす
一つ目は、収入を増やすことです。たとえば50歳から60歳までの10年間、妻がパートの年収を100万円から200万円に増やして働いた場合を見てみましょう。
年収100万円の場合、手取りはそのままですが、年収200万円になると社会保険料と税金を差し引いて手取りは約161万円になります。扶養を外れることになるため社会保険料と税金の負担は痛いところですが、10年間で現状より610万円の収入を増やすことができます。
妻自身が厚生年金に加入することで、65歳以降の厚生老齢年金を増やす効果があるものの、万が一ボツイチになった時には、夫の遺族厚生年金との調整が行われ残念ながらトータルの厚生年金受給額を増やすことにはなりません。年齢や受給額によって計算が異なるため、詳しくは年金事務所で確認しましょう。
なお、65歳以降ボツイチになるまでは夫婦2人で老齢厚生年金を受け取ることができるので、家計にとってはプラス効果ということも付け加えておきます。
②iDeCoなど私的年金に加入する
iDeCo(イデコ)は個人型確定拠出年金といって自分で作る年金制度です。毎月一定の金額を定期預金・保険・投資信託といった金融商品で自ら運用、60歳以降に一時金あるいは年金で受け取ることになります。
たとえば50歳から60歳までの10年間を上限額である2万3,000円の定期預金で積立てを行うとします。①のパート収入から積立てをするため資産全体はプラスにはなりませんが、税制優遇メリットには注目したいところです。
というのもiDeCoの積立金額は全て所得控除の対象となり所得税・住民税の節税ができます。年収200万円の場合、10年間での節税額はトータルで41万4,000円です。
この節税額をしっかりと貯蓄に回せば合計で651万4,000円の資産を作ることができます。前述の65歳から90歳までの不足額479万3,700円をカバーすることは可能です。
人の寿命は予測できませんが、50歳から扶養を外れてパート収入を増やすことは一つの対策になると言えるのではないでしょうか。
(2019年11月7日更新)