米国がシリアにミサイルを撃ち込んだというニュースが流れて以降、報道などで「地政学リスク」という言葉を見かけるようになりました。株式市場でも「地政学リスクを懸念して売られている」ということが盛んに報じられています。

株式投資をするときには、「直近の売上高が云々……」とその企業の業績の良し悪しを気にすることが多いです。ただ、考えてみればわかりますが、その業績に反映するものが世界情勢であり、為替であり、為替変動の要因でもある金利などの動きになるのです。


雰囲気だけで株価は動く?

今回は北朝鮮への牽制も含めて米国がミサイル攻撃を行ったのだと思いますが、唐突に実行されたことで株式市場では改めて「地政学リスク」について考える結果になりました。

市場全体としては「株を持っている場合ではない」ということで売られましたが、もちろん、地政学リスクで業績に変化が見られない企業もあります。

言い方は悪いかもしれませんが、たとえ戦争が起こったとしても株式市場では「遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り」ということが言われます。

第一次世界大戦の時でさえ、米国や日本では「特需」ということが言われましたし、比較的近い世界で行われた「朝鮮戦争」の時でさえ、日本では高度経済成長のきっかけとなった特需が起きたのです。

湾岸戦争やボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の時は特需ということは言われませんでしたが、NATO(北大西洋条約機構)参加国であるイタリアやドイツ、フランスなどの国で経済が落ち込んだということはありませんでした。

ただ、戦争が始まると「リスク回避」ということでリスク資産である株式から、安全資産と言われる債券や金に資金が移動するということがよくあります。そして、これを「地政学リスク」と呼ぶこともあります。

実際には経済的なダメージがなくても、嫌なことや危険なことが起きるとリスクが意識され、雰囲気だけで株が売られることもよく起こるのです。

最も大切なのは慌てないこと

株式投資をしていると、こうしたリスクはつきものです。慌てふためいて目先の雰囲気だけで株を手放したり、雰囲気だけで買いついたりしてしまうこともありますが、たいていの場合、慌てて手放したところが底値となり、手放した後に急反発となることも多いです。

こうしたリスクを考える際には、「この株を持っていたら本当に将来的に資産を失うことになるのか?」と考えてみるとよいと思います。

シリアにミサイルが撃ち込まれたということで、「北朝鮮にも打ち込まれるかもしれない」と連想したわけですから、株式投資の観点から考えるのであれば、さらに先まで連想してみることが大切です。考えたくはありませんが、「もし北朝鮮にミサイルが着弾したら……」と次の展開まで考えてみるのです。

こう考えてみると、北朝鮮以外の国は経済的にかなり密接に関連しているので、いきなり戦争が起こることはないと思います。もちろん通常では考えられないようなことが起こる場合もありますが、そうなったとしても倒産してしまう企業がいくつあるでしょうか?