はじめに
中小型が再び優位になる可能性は?
次に、少し長い期間について中小型株の動きをみてみます。
下のグラフでは、中小型株の動向を示す代表的な株価指数である「JPX日経中小型株指数」と「JPX日経インデックス400」の動き、さらに「相対株価」(JPX日経中小型÷JPX日経400を指数化したもの)を上下に並べて比較しました(いずれも2013年12月末=100として加工)。
ここで相対株価の動きを見ると、リーマンショック(2008年9月)以降2018年半ばまでは、ほぼ一貫して右肩上がりであることがわかります。中小型株優位の相場が10年近く続いたことになります。
2018年の半ば以降は相対株価も踊り場となっていますが、相対株価は全体の株式相場と相関関係がみられます(全体の相場上昇時には相対株価も上昇、下落時は相対株価も下落)。2018年以降に相対株価が足踏みしているように見えるのは、相場全体が調整していることと無関係ではないようです。
今後、株式相場全体が力強い上昇に転じた場合、中小型株が再び優位になる可能性は決して低くないといえそうです。
中小型株優位の相場がすでに終わっているのか、単なる一時的な休止であるのか、現段階でハッキリしたわけではありませんが、中小型株が叩かれている今の時期は中小型株に投資する1つのチャンスである、と考えることができます。報道を真に受けて、重要な投資機会を逸することは避けたいものです。
<文:リサーチサポート室 久保毅>