はじめに
一方のBMW Mは?
さてここでBMW M40dですが価格は8,960,000円と、アルピナよりもやはりけっこうリーズナブルです。M40dの走りですが高速クルージングをゆったりと流しているときにはなんとも平和で、ゆとりあるクルージングを楽しめ、ワインディングではアルピナ以上に踏ん張り感の効いた安定ある走りで、ボディが小さく感じるほど軽快でした。
その走りの全体的な印象ですが、アルピナ以上にスポーツモデルらしく少しばかりワイルドで硬質な感じがありました。同時に感じたのは、どんな状況でもドライバーに対して“速く走ろうよ”という誘惑が顔を見せるのがM40dの走りの感想です。
この味わいの差はBMWとアルピナとの差なのでしょうか。どっちがいいとかではなく“どっちが好み?”というレベルの話になるのかなぁ、と言う感じです。要するに強烈な加速やシャープなハンドリング、そして卓越したドライビング・ダイナミクスは、両車とも持ち合わせていますが、その表現方法が少し違うということになります。
過酷とも言えるサーキットで鍛え上げられたBMWのレーシングテクノロジーを、ふんだんに投入したBMW Mモデル。
一方のアルピナといえば、Mと同等のパフォーマンスを「より分かりやすく、より扱いやすく快適に、より親しみが持てるように調教」したクルマと言えるようです。高性能をごく普通に使いやすく、かつさりげなく“知る人ぞ知る、というブランド力”を発揮し、価格面でも一歩上行くのがスペシャルなアルピナです。
試乗を終えてアルピナが、ブランドを大切にする女性ユーザーにも人気があることを改めて納得できました。