はじめに
売上高が1.3倍に拡大と試算
炭酸飲料は、冷え方などによっておいしさが変わるもの。そのため、容量が重要で、飲み方や飲む人数によって最適な容量が変わるといいます。
そこで、500ミリでは多い人には飲み切りサイズの350ミリ、500ミリでは足りないペアには2人飲みサイズの700ミリを手に取ってもらうことを想定。日本コカ・コーラでは、今回の施策によって、売上高が従来の1.3倍に拡大すると試算しています。
自信の根拠は、新パッケージを並べた飲料売り場で実施したサンプルユーザー対象の買い物シミュレーションです。インタビューなどから、「新たな容器サイズにニーズがあると確信した」と、佐藤本部長は胸を張ります。
他方、「新たなサイズが登場したことと、その魅力を、わかりやすく伝えることが重要だとわかった」(同)ことも事実。そのため、パッケージごとに飲用シーンをイメージしてもらいやすい広告を配置するほか、販売店に新サイズ専用の什器を用意したり、効果的な販売方法を販売店と一緒に検討していく方針です。
順次500ミリは新サイズに置き換え
東京を中心とした1都3県を先行販売の対象地域に選んだのは、単身者が多く、徒歩や自転車で買い物する人が多かったからだそうです。「まずはコカ・コーラブランドで先行導入して、動向を見ながら、エリアやブランドを拡大することも視野にいれています」(和佐CMO)。
今回導入する3つの販路では順次、既存の500ミリを350ミリと700ミリに置き換えていく計画です。ただし、「現段階では、このパッケージが一番良いと、得意先に説明していくのが基本方針」(佐藤本部長)。その完了時期は現時点では未定だといいます。
消費者は今回の新ボトル投入を、ニーズの変化に的確に対応したサイズ変更ととらえるのか、それとも単なる値上げと判断するのか。その答えが出るまでに、それほどの時間はかからないかもしれません。