はじめに

住宅購入するかわからない中で活用するメリットはある?

では、ご相談者の財形住宅貯蓄制度の活用についてはどうでしょうか。

検討するポイントは二つです。

まず一つ目は、将来、住宅購入もしくは、リフォームをする可能性があるかどうかです。積立額の10%の補助は魅力ではありますが、目的外の支払いでは返還しなければいけないことを考えると、住宅購入やリフォームの可能性がない中で、財形住宅貯蓄を利用しても意味がありません。

二つ目が、住宅購入以外の経済的な目標の有無です。仮に財形住宅貯蓄を利用すると、目的が限られるため、貯蓄する金額はブロックされることになります。他に使う目的があるにもかかわらず、住宅購入をする時まで利用することができないのはライフプラン上制限が入ってしまいます。

ご相談者が将来住宅購入をする可能性があるのかを再度しっかりと考え、買わないという選択肢があるのであれば、現段階で財形住宅貯蓄を始める必要はないのではと思われます。仮に、将来どこかのタイミングで購入すると決めたのであれば、他の経済的目標とのバランスを考え、毎月の積立金額を検討しましょう。

手段から決めるのはNG、貯蓄計画の立て方

貯蓄計画を立てる際に重要なのは、貯蓄の目的と期限、金額を設定し、最後にどのように貯めるかです。

グラフ1

先にどのように貯めるかの手段から入り、金融商品を決めると、効果的な貯蓄計画は作れません。

まずは、ご自身のライフプランを考え、どのようなライフイベントが考えられ、どのような生活をしたいかを整理した上で、効果的な方法を検討しましょう。

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