はじめに

子どもと一緒に行きていく決意

お腹が大きくなるにつれ、切迫流産の恐れで2回入院、現在は糖尿病と高血圧にも悩まされています。仕事は続けられなくなったため、婚姻費用の請求を夫にしていますが、金額が折り合わず、現在は生活保護を受給しているそう。

「狭い町なので、夫や彼女とばったり会ったことがあります。夫は顔を背け、彼女はにらみ返してきました。そのたびに私の体の中で血が流れていく。一度ついた傷はなかなか治りません。でもあのふたりは、自分たちが私を傷つけたことさえわかっていない」

年があけたら、彼女はいつ出産してもおかしくない状況になります。夫はこうなってまで何を守りたいのでしょう。

「会社にはバレてないようですけど、ふたりとも仕事を失うのがいちばん怖いんでしょうね。大ごとになってふたりが会社から追放されればいいとも思ったけど、夫に収入がなくなったら慰謝料や養育費ももらえない。矛盾していますが、仕事は失ってほしくはないんです」

シュウコさんも弁護士をつけて、とことん闘うつもりでいます。もはや夫との修復は不可能かもしれませんが、せめて産まれてくる子どもの父親であることは認めさせたい。そして家庭を壊した責任を彼女とともにとってもらいたい。そう願っています。

個人的には不倫を否定も肯定もしない立場で、長年取材を続けてきました。どの立場に立つかによって、「不倫」の見方は変わります。ただ、シュウコさんのように何も非がないのに、一方的に夫に不倫をされ、精神的にも経済的にも追い込まれてしまうのを見ると、理不尽を感じざるを得ません。

「いくらお金をもらっても心は静まりません。不倫って、“心の殺人”だって誰かが言ってたけど、本当にそう思います。心からずっと血が流れ続けている。だけど夫も彼女も、それを償うどころか謝ろうともしない。こういうことがまかり通っていいんでしょうか」

シュウコさんの苦しさを想像するとせつなくなります。身も心もぼろぼろになりながら、それでも彼女は新しい命を生みだそうとしているのです。そしてその命が、彼女に生きる力をもたらすに違いありません。

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