はじめに
次の狙いは20代
ワークマンは下半期の戦略として、20代を中心にした若い世代の開拓に力を入れる計画です。9月には公式のインスタグラムとツイッターを開設し、コーディネートや人気商品を発信しています。
小濱社長は「SNSを活用し、折り込みチラシやテレビのコマーシャルで獲得しにくい若年層を開拓したい」と説明します。こうした若い世代に刺さる商品開発の一環として、ワークマンの商品を愛用するブロガーをアンバサダーと位置付け、コラボ商品を増やしています。
キャンプ好きの女性が改良した綿100%のパーカー
実際に2019年秋冬の商品を見ると、キャンプ好きの女性ブロガーとコラボしたコットンパーカーなど、アウターを中心にこれまでよりデザイン性の高い商品が目立ちます。下半期にはアンバサダーの数を増やし、2020年9月にはコラボ商品だけを集めたショーを開くことも計画しています。
同社は2025年までに1,000店舗の出店計画を立てています。小濱社長は「出店は、賃料などの基準をクリアするか慎重に見極める」と語る一方で、「都心での出店希望も増えてきている。2階建てにして、駐車場を確保するなどの実験をしたい」と、従来のロードサイドの店舗とは異なる店舗を模索する考えも明らかにしました。
ワークマンが一般客向けのPB商品の販売を本格化したのは、2016年。それからわずか3年余りで急成長を遂げました。しかし、その裏側では、急成長ゆえの新たな課題が浮かび上がったのも、また事実です。
説明会の参加者からの「ワークマンプラスを一過性の流行で終わらせないためには何が必要か」という質問に対し、「作業服屋という原点を忘れず、機能性が高く、低価格の商品を作り続けること」と答えた小濱社長。ワークマンの持ち味を生かした作業服の機能性を消費者にどれだけ訴えられるかが、今後の業績を左右しそうです。