はじめに
やってはいけないこと
――取引する上で課しているルールはありますか?
デイトレでは当然、翌日に持ち越さないことです。どんなに損していても。含み損を抱えたから様子を見ようと持ち越すのはいちばんしてはいけないことです。
投資家のみなさんは株価が上がると想定しているから株を買いますが、その後、株価が下がったなら、自分の意思とは反対方向に進んでいるわけですから、そこで終わらせるべきなんです。
不安になって株の掲示板をチェックしたり、保有することを肯定する情報を仕入れたり、無理やり時間軸を延ばしてしまうと、ポートフォリオから含み益のあるものが減って、含み損のあるものばかりになっていきます。
――下がったら売れということですか?
ポートフォリオはプラスの銘柄だけ残してマイナスの銘柄を残さないことが理想です。
――それはなかなか難しいですね。
普通の人は株が上がったときに売ることを考える。反対に上手な人はどこで買い増すかを考えるんですよ。株が上がっているということは自分の考えが正解だということです。考えが正解だったのに「売る」という作業をすることは、やるべきことと逆のことをしているんですね。
勝っているときに売って、負けているときに売れない。またはさらに買ってしまうのは最悪です。
そんな取引をしていたら、たまたま助かっていても、いつかは大きな失敗をすることになる。上がったときは売り急ぐのではなくて、せめて、まだ上がるかどうか考えてみる。意識を変えることが大事だと思います。
――銘柄を買うときに決めているルールはありますか?
利益確定も損切りも「このへん」というのは決めています。特に損切りのラインをつくることを重視しています。たいていの人は株価が上がっていくことを想定して買うので、意に反して下がっていくと、どうすればいいかわからなくなってしまう。もしも、下がった場合に売るラインを決めていれば、迅速に行動ができます。僕も勝率は6~7割で、3割~4割は損切しています。損切りは総資産をプラスにするために必要なものと考えた方がいいと思います。
――銘柄を選ぶときの情報源は?
普段は証券会社の流すニュースやネットニュースを見るくらい。みなさんと一緒のものを見ていたら十分だと思います。ただ、決算のときに公開される資料は詳しくチェックしています。なぜ、増益だったのか。どのセクターが伸びたのか。それは一過性の特需なのか、今後も続くのか。そうした観点から見極めます。もし、3カ月後の決算でもっと伸びそうなのに、株価の反応が薄ければ今のうちに買っておこう、日経平均につられて下がった機会には買おうとなります。いい銘柄が見つかっても、忘れないようにメモはしておいて、自分が買いたい値段になるまで待つことも多いですね。
――社会の動きも注目されていますか?
たとえば国や役所の方針で教材や学校施設のIT化が進むのであれば、いつまでに普及されるのかと考えながら買い、普及が終わった翌年は減益になるのではないかと考えて空売りしようというふうに売買します。
――ブログでは有名企業の銘柄の社名が多いですね。
小型株はブログで公開すると、株価に影響することもあるので、書きにくいというのはありますね。ただ、やはり小型株のほうがのびしろはあります。
――ゲーム会社の株もよく挙がっています。
ゲーム会社は新しい商品や月次の売上といった情報がしっかり入って来るので売買がしやすいですね。