はじめに

「働き方改革」のはずが

2016年頃から「働き方改革」として、病院に対しても労働基準監督署の立ち入り調査が入るようになりました。それまで見てみぬふりをしてきた医師の「時間外労働」「時間外手当金」についても、是正勧告されるようになったのです。

E県立病院にも新しい院長がやってきて、「経営刷新」「働き方改革」「残業月80時間以内」を唱えるようになりました。病院脇の官舎に一人暮らしの園田先生は、「Windows 2000」先生の受け持ち患者が急変すると、真っ先に病院に呼びつけられます。時間外勤務は月200時間を超えていましたが、80時間を超えた残業代を請求すると院長の決済印がもらえません。

「有休消化」を要求されて

「働き方改革」の波は医療界にも及び、E県立病院でも「有給休暇消化率90%以上」が求められるようになり、「Windos2000」の双璧だった外科統括部長と診療部長は、さっそく2週間の海外旅行に出かけました。園田先生は有休を未取得だったので、院長から呼び出され注意されました。「私が休むと、集中治療室が廻りません」と反論したところ、「有休を申請しておいて、出勤するのは自由だから」と院長に提案され……園田先生の中で、プツリと何かが切れました。

(後編に続きます)