はじめに

一風堂や二郎に死角はあるのか

スケールメリットと立地のよさを最大限に活かした経営はさすがに個人経営では太刀打ちできないもののようです。一方、九州・博多発祥のラーメン店として国内のみならず海外でも有名な「一風堂」(力の源カンパニー)はどうでしょう?

「一風堂は以前と比べると高くなりましたよね。今の値段(定番の「白丸」790円、「赤丸」850円)であれは『どうかな』って思っています。ブランドが付いているからいいんでしょうけど、博多のラーメンってほぼ500円台なんですよ。それなのになぜあの値段になるのか。工場に変えたんだから(筆者註:セントラルキッチン方式で多くの店ではスープを作らなくなっている)本当は値段が下がらないといけないのに、逆に上がっている。それがいいとは思わない」

全国展開するチェーンでも、藏本さんの目から見るとその経営の考え方や発想には明確な違いがあるようです。では、チェーンではないですが、のれん分けした店舗が多数存在し、熱烈なマニアの支持を受けている「ラーメン二郎」については?

「ラーメン二郎は『二郎』っていう食べ物。あれはラーメンじゃないです(笑)。そういう意味で、あれに勝るものを作るのは無理ですね。熱狂的なファンがついているから、味だけをマネて『二郎インスパイア系』のお店を出してもウケないんですよ。やろうと思えば作れるんですが、プロデューサーとしては『やめたほうがいい』って言っています」

有名人の名前は効かない?

お店の「ブランド」ということでいうと、芸能人やスポーツ選手など、著名人が自ら飲食店経営に乗り出すという話も古くからあります。そうした中にはもちろんラーメン業界に参戦する人もいるわけですが、気づけばいつの間にか経営が悪化し、閉店を余儀なくされるお店も…。

藏本さん自身も、かつて著名人が経営したお店を引き取ってくれないかという相談を受けたことがあるそうです。

「ある元スポーツ選手がラーメン店を経営して、4店舗ぐらい出したんです。でもうまくいかなくて、それを買い取ってくれと。結局断ったんですが、話を聞く限り、やっぱりその人は何も知らないでやっていたんですよね」

さすがにネームバリューがあるので、開店直後は人が集まることも多いはず。しかしその人気は長続きしないということでしょうか。

「名前で人が来るから、勝算があると思ってやるんですけど、そううまくいくものではない。逆に有名人が経営しているんだけど、あえて名前を出さないことでうまくいっているという店もあるんです。後から『じつはあの人がやっているお店なんだ』って噂になるぐらいでいい。最初から名前で売ろうとしていると失敗しますよね」

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