はじめに
追い風が吹く分野は意外と幅広い?
パソコンの国内市場が新たな成長期に入ると予想する中で、メーカー、ソフト、卸・小売店など、幅広い関連企業に追い風となる可能性があるでしょう。
国内パソコン市場は、NECレノボ、富士通、デル、日本HPといった国内外の大手メーカーがしのぎを削る構図です。その中でシェアは3~4%程度に過ぎないものの、堅調な業績拡大を続けているのがMCJ(マウスコンピュータ)です。
同社はBTO(受注生産)方式により多様なニーズに応えながら、リーズナブルな価格で製品提供が可能であり、今後のシェア拡大が期待できます。
パソコンの1次卸として国内首位のダイワボウホールディングスにも、着目しておきたいところです。同社の中核子会社であるダイワボウ情報システムは、IT関連製品の草分けとして、地方を中心に自ら在庫を持つビジネスを展開し、強固な営業基盤(全国約90拠点の営業網)を構築しています。
独立系マルチベンダーとしてのネットワーク力やソリューション力を武器に、過去10年間での国内シェアを11.1%から22.0%(法人向けに限れば13.8%から28.3%)へと上昇させるなど、競争力は抜群です。国内パソコン市場の新成長期入りを迎えるにあたり、同社の中長期的な収益成長ポテンシャルは高まっていると考えられます。
パソコンの小売りに関しては、家電量販店などが想起されますが、当研究所ではソリューションサービス主体のピーシーデポコーポレーションに着目しています。
教育のICT化推進により家庭におけるパソコンへの関心が再び高まると考えられますが、同社のプレミアム会員は親子同居世帯などが多く、これまでもパソコンのサポート・提案に注力してきた実績から考えて、追い風となる可能性が高いでしょう。
<文:企業調査部 張谷幸一>