はじめに

「繰り上げ返済」と「借り換え」で毎月の返済額をメンテナンスする

相談者様が利用している変動金利は、住宅ローンの中では最も金利が低く設定されています。今後金利の上昇がなければ低金利の恩恵を受け続けることができますが、金利が上昇すれば家計が苦しくなるという可能性も否めません。

実際、相談者様のここ数ヵ月の貯蓄は、普通預金から充当している状態とのこと。住宅ローンの返済が始まって先取り貯蓄ができていないということは、住宅関連費が家計を圧迫している証拠です。住宅ローンは35年間という長期にわたっての返済ですので、収支計画の立てやすい全期間固定金利への変更も視野にいれ、「繰り上げ返済」と「住宅ローンの借り換え」の2つをシミュレーションしてみましょう。

(1)繰り上げ返済「返済額軽減型」

まずは繰り上げ返済です。方法は2つあります。1つは「期間短縮型」といって、毎月の返済額は変えずに返済期間を短くするタイプ。もう1つは、返済期間はそのままで毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」タイプです。今回のケースは返済額軽減型でシミュレーションしてみましょう。

<前提条件>
借入金額:3000万円
変動金利:0.5%
返済期間:35年(420回)
現在の残債:2960万円(34年6ヵ月・414回と仮定)

貯蓄総額のうち500万円を返済額軽減型の繰り上げ返済に充当します。

現在の負債総額2960万円は返済期間35年のうち、6回目の返済を終えた残高と考えることができます。1ヵ月後に返済額軽減型の繰り上げ返済に500万円を充当すると、毎月の返済額は7.8万円から1.3万円軽減され、約6.5万円となります。住居費は10万円以下に抑えられます。

(2)全期間固定金利への借り換え

次に変動金利から固定金利への変更です。

<借換えの条件>
フラット35 金利:1.21%(2019年12月最頻金利)
ローン残高:2460万円
返済期間:34年6ヵ月(414回)

貯蓄総額のうち500万円を一部繰上げに充当したのち、残金2460万円を元利均等返済(ボーナス併用)、全期間固定金利に借り換えをする。

ボーナスを併用することで毎月の返済額は2万円減額となり、住居費は管理費等を含んで月々9万円。ボーナス時の返済額は約15万円となりますが、月々の返済額を抑えることで貯蓄にまわす余裕ができそうです。

固定金利へ変更後は低金利の恩恵を受けることはできませんが、長期間返済していくことを考えるとライフプランが立てやすくなります。

月々の返済を軽減させる方法として参考にしてみてください。なお、車の利用頻度が少ないようであれば売却して駐車場代の負担をなくすことも検討してみてはいかがでしょう。

減額分はつみたてNISAとiDeCoでお得に積立てる

老後の資産形成としては個人型確定拠出年金(iDeCo)がおすすめですが、今年から住宅ローン控除の適用を10年間受けることができますので、まずは20年間の運用益に非課税メリットがある「つみたてNISA」から始められたらいいと思います。もちろん余裕があれば、iDeCoを5000円からスタートさせるのも良いでしょう。

例えば、つみたてNISAに月々2万円、ボーナス月に8万円を増額して年額40万円の枠いっぱいを積立てし、平均利回り2%で運用できたとしたら10年後は元利込みで440万円ほどになります。これを住宅ローン控除が終了した10年後に「期間短縮型」の繰り上げ返済に充当すると、62歳で住宅ローンの返済を終了させることもできます。

いつでも解約でき自由度の高いつみたてNISAは住宅ローンの繰上げに、iDeCoは自分年金の上乗せとして、税金の優遇制度を上手に利用しながら住宅ローンを無理なく返済していきましょう。ご主人が遺してくれた資産を大切に守っていきましょうね。

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