はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ

今回の相談者は、夫の借金が発覚したという32歳の女性。もう1人子どもが欲しいといいますが、借金を抱えた家計で子ども2人を大学まで出してあげることはできるのでしょうか。FPの氏家祥美氏がお答えします。

旦那の借金が発覚しました……。借金の返済と車のローンを抱える中、子どもをもう1人生んでも家計は大丈夫でしょうか。いままでは、「経済的にひとりっ子」と思っていましたが、やっぱりもう1人欲しいという気持ちが強くなってきました。今の家計で2人とも大学まで行かせてあげることは可能でしょうか。

<相談者プロフィール>
・女性、32歳、既婚(夫:37歳、会社員)
・子ども1人:3歳
・職業:パート
・居住形態:賃貸
・毎月の手取り金額:43万円
(夫:28万円、妻:15万円)
・年間の手取りボーナス額:40万円
・毎月の世帯の支出目安:35万円

【支出の内訳】
・住居費:7.5万円
・食費:6万円
・水道光熱費:2万円
・教育費:2万円
・保険料:4.6万円(がん・医療・収入保障:2万円、貯蓄型保険:2.6万円※学資として)
・通信費:1万円
・車両費:3万円(ガソリン:1万円、ローン:2万円※あと3年で終了)
・お小遣い:4万円
・借金返済:2.6万円
・その他:2万円

【資産状況】
・毎月の貯蓄額:8万円
・現在の貯蓄総額:100万円
・現在の投資総額:100万円
・現在の負債総額:320万円(旦那の借金:250万円、車ローン:70万円)

氏家: こんにちは。ファイナンシャルプランナーの氏家祥美です。今回は、ご主人の借金の返済と、第2子出産を視野に入れたライフプランのご相談です。どうやったら、家計の問題を乗り越えて、お子さん2人を大学に行かせてあげられるのでしょうか。

手取りの10%以上が返済に回る家計

ご相談者さんは、会社員のご主人と3歳のお子さんと一緒に暮らす3人家族。パートではありますが、手取り月額15万円(年180万円)ということなので、フルタイム並みにわりとしっかりと働いていらっしゃるとお見受けします。

ふたりの手取り月収は43万円ですが、自動車ローン2万円の返済があと3年間残っているのと、ご主人の借金が発覚してこちらも月額2.6万円返済しているという状況です。返済に回る4.6万円は手取り月収の約10.7%に相当します。

固定費だけでなく変動費も、上手に抑えられている

では、さっそく家計の状況を見ていきましょう。まず、固定費だけを抜き出してみたところ、下記のようになりました。

掛け捨ての保険が月に2万円というのは、ご夫婦の年齢(夫37歳、妻32歳)から考えると、見直しの余地がありそうですが、現状のままでも、固定費の合計は月額14.5万円。手取り月収43万円の33.7%に抑えられているのは立派です。

【固定費】
・住居費:7.5万円
・水道光熱費:2万円(※水道光熱費は平均値で考えて固定費に)
・教育費:2万円
・保険料:2万円(がん・医療・収入保障など掛け捨てのもの)
・通信費:1万円

固定費合計:14.5万円

よく私はこの連載でも、「暮らしの固定費が手取り月収の50%を大きく超えるとつらいですよ」 とお話ししますが、ご相談者さんの場合、毎月の返済4.6万円を固定費に含めて考えても、固定費割合が44.4%に抑えられています。

続いて、変動費の内訳は以下の通り。合計13万円で、変動費の割合は手取り月収の17.9%と抑えた状況です。費目が少なく、とてもシンプルな家計簿です。

【変動費】
・食費:6万円
・ガソリン代:1万円
・お小遣い:4万円
・その他:2万円

変動費合計:13万円

「食費」6万円のなかに食材も外食も含んでいるのか、また「お小遣い」のなかに各個人のランチや洋服代なども含んでいるのか、「その他」のなかに家族のちょっとしたレジャーや家具家電の購入なども含んでいるのか、そのあたりの細かいことはわかりませんが、少ない費目のなかで家計をトータルで管理できているようですね。

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