はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。
今回の相談者は、万が一に備えて生活費1年分を貯めたいという42歳シングルマザー。ですが家計は毎月赤字、ボーナスで補てんする日々だといいます。FPの渡邊裕介氏がお答えします。
<相談者プロフィール>
・女性、42歳、バツイチ
・子ども1人:14歳(中2)
・職業:会社員
・居住形態:賃貸
・毎月の手取り金額:24万円前後
・年間の手取りボーナス額:70万円
・毎月の世帯の支出目安:24万円
【支出の内訳】
・住居費:6.5万円
・食費:4万円
・水道光熱費:2.5万円
・教育費:3.5万円
・保険料:1.3万円
・通信費:1.5万円
・車両費:1万円
・お小遣い:1.5万円
・奨学金:1.8万円
・その他:0.7万円
【資産状況】
・毎月の貯蓄額:4万円
・ボーナスからの貯蓄額:赤字の補てんや被服費などでほぼ残らない。
・現在の貯蓄総額:90万円
・現在の投資総額:30万円
・現在の負債総額:150万円(奨学金:残期間7年)
渡邊: こんにちは。ファイナンシャルプランナーの渡邊です。家計の見直し及び貯蓄計画のご相談ですね。
シングルとのことですが、お子さまを育てながら、しっかりと収入も得ており頑張ってらっしゃいます。少しの見直しと工夫で貯蓄体質に変われますので、ご安心ください。
なぜ必要?いつまでに? まずは貯蓄の目標を整理する
まず、ご相談内容からご相談者が求めていることを整理してみたいと思います。
(1)万が一に備える(生活費1年間分の貯蓄)
(2)つみたてNISAを始めたい
(3)将来の住宅購入
大きくこの3つでしょうか。多くの方が、複数の目標を整理しないうちに同時に考えるので、どれも中途半端になり、ずっと同じような悩みを持った状態が続き、結果的にストレスを抱えてしまいがちです。まずはそれぞれの目標が「なぜ必要」なのか、「いつまで」に達成したいのかを整理することからスタートです。
達成できる目標を設定し、次に進みやすくする、
ご相談者の場合、まず万が一に備えるために生活費1年間分の貯蓄をしたいということですが、現在の生活費が月24万円なので、一年間分の生活費は288万円となります。現在の貯蓄総額が投資除くと90万円、そして月額4万円を貯蓄されているので、目標達成までは、単純計算で約4年が必要となります。
ここで考えたいのが、万が一のためにそもそも生活費の1年間分が必ず必要でしょうか。もちろん、お仕事が継続できなくなったり、病気になってしまうなどのアクシデントも起こりうるので、備えるに越したことはありませんが、そこに時間をかけすぎるのも考えものです。あまりに時間がかかると、目標を目指す意欲を継続するのが難しくなってきます。まずは生活費の半年間分を準備するところからスタートした方が先に進みやすいでしょう。