はじめに
今の貯蓄を続けた場合、貯蓄金額はいくらになる?
子育て、仕事、家事と忙しい中、やりくりして毎月8万円もの貯蓄をしているご相談者様、素晴らしいと思います!
もしこの8万円の貯蓄を60歳まで続けられたらいくらになるでしょうか。8万円×12ヵ月×17年間=1632万円、現在貯蓄が500万円ありますので、足すと2132万円にもなり、老後に備えたい1980万円を上回っていることがわかります。色々なことが仮定ですので試算結果はあくまで参考値ではありますが、大きな心配はそんなにしなくて大丈夫。まずは安心してください。
ただし、お子様2人の教育費を学資保険等で備えていないとしたら、上記にプラスして、600万円(300万円×2名)くらいを大学時期までに貯蓄できるとより安心です。となると、月8万円の貯蓄では少々足りなくなるかもしれません。
そこで、教育費がかかる時期には少なく、またかからない時期には高くするなど、貯める金額にメリハリをつけて教育費と老後資金を作るプランニングの一例を紹介します。
支出に応じて貯める金額にメリハリをつけると…
貯められる時期に多くの金額を、支出がかさみ貯めるのがキツイ時期に少な目の金額を積み立てるプランの一例を作りました。
ご相談者様の場合、上のお子様が高校卒業するまでは高く設定し、大学時期と、収入が少なくなる可能性がある60歳以降を少なめの金額にしています。なお、利息や税金は考慮せず、足し算をしているだけとなります。
この例では、65歳時点で必要資金である1980万円を上回る2014万円を手に入れることができます。毎月の貯金額は、5万円から10万円。今少し頑張って月2万円増やすことになりますが、これならできそうな気がしてきませんか?
2万円を捻出するために見直す項目は「固定費」
さて、月10万円の貯金のために、あと2万円を生み出すにはどうすればよいでしょうか。
家計の内訳をみると、見直せそうな項目として「通信費」と「保険料」があげられます。通信費は現在2万円とありますが、格安スマホなどに変更するなどで、夫婦で1万円にできるでしょう。子どもがスマホを持つようになるとその分お金がかかりますので、今のうちに通信費を抑える工夫を施しておくと安心です。
保険料は、どのような保険に加入しているか不明ですが、ご相談者様の家庭で必要な保障は、夫婦それぞれの死亡保障(子どもが独立するまで)、ご主人様の就労不能保障です。もし医療保障などに多く加入している場合は見直す余地があるでしょう。コストが低く済む共済への切り替えも良いですね。
また、幼保無償化で下のお子様の教育費は下がると思われます。その分も貯蓄に回すと良いでしょう。
もし、毎月の貯める金額がきついと思ったら、無理なくできる範囲で良いので、同じ金額を自動的に積み立てる仕組みを作ってしまいましょう。計画して継続して貯める力がつけば、資産寿命を延ばし豊かに老後を暮らせる自信にもつながります。
人生100年時代となり、65歳で仕事をやめ、貯蓄を切り崩して生きていく時代は変わってきています。
今回は、収入が年金のみになったとして貯めておきたい金額を試算しましたが、70歳まで働ければ大きく結果は変わるでしょう。今からできる大切なことは、コツコツ貯めていくことと、できるだけ長く働ける健康な身体と環境づくりと言えますね!
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