はじめに

「9月まで戻ってくるな」が機能した9月

年後半は、米FRBの金融政策の動向に株価が左右されました。6月初旬から盛り上がった米国の利下げ観測により、日経平均株価も6月初旬の急落から立て直し、7月には2万2,000円を試す展開になりました。

しかし8月には、トランプ大統領が対中関税第4弾を発動すると発言したことで米中懸念が再燃。6日には2万0,100円台をつけるなど、再度の2万円割れが意識される展開になりました。

低空飛行が続いた8月でしたが、9月から潮目が変わります。9月5日に米中貿易協議が再開されるとの報道で、2万1,000円を回復。その後も上昇を続け、約2年ぶりに10連騰を記録し、あっという間に2万2,000円を回復しました。

2万円を試すかに思えた弱気の8月から一転、9月は10営業日で約1,500円の上昇を見せるなど、強烈な戻しとなりました。「5月に株を売れ」は機能しなかったものの、「9月まで戻ってくるな」は機能したといえるでしょう。9月にちゃんと戻ってきた投資家には、うれしい相場展開でした。

「押し目待ちに押し目なし」の10月以降

9月に急激な上昇を繰り広げた日経平均株価でしたが、10月に入ると低調な米国経済指標につれる形で急落する場面もありました。しかし、15日には米中協議が部分合意に達したとの報道があり大幅高。2万2,000円に乗せました。

すると、11月7日には米国が対中追加関税を段階的に撤廃するというポジティブなニュースが続き、またたく間に11月12日に2万3,500円を記録。12月のFOMC(連邦公開市場委員会)では「来年度以降も低金利環境が続く」ことが明らかとなり、12月17日には2万4,000円を突破。その後も2万3,000円台後半で推移し、30日の大納会は2万3,656円で終えました。

10月以降は少し下がってから買おうとしても買えないくらいに上昇を続け、気がつけば2万4,000円に到達するという、「押し目待ちに押し目なし」の展開となりました。

2020年を見通す相場格言は?

では、2020年はどのような相場となるのでしょうか。

注目イベントは、何といっても東京オリンピックです。前回のオリンピックが行われた1964年は、自動車が一般市民に普及していく局面でありました。個別株では、自動車のカーペット製造に関連していた津田駒工業や住江織物の株価が上昇しました。このように、思わぬところから大化け株を見つけることができるかもしれません。

一方の懸念材料は、2019年10月の消費増税により消費の冷え込みが見られる中、増税に伴って行われている還元キャンペーンが6月に終了することです。消費者心理の冷え込みが企業業績に響いてくると、株価にも下押し圧力となるかもしれません。

米国の大統領選、英国のEU離脱など、世界情勢の不透明感は完全には払拭されていませんが、「亥は固まる」といわれる亥年を経た子年の2020年、格言通り「子は繁盛」となるでしょうか。

<文:Finatextホールディングス アナリスト 菅原良介>