はじめに
給料=年金の受給額、ボーナス=老後資金?
65歳以降に受け取る年金の受給額は、「ねんきん定期便」、または「ねんきんネット」で確認ができます。また、「ねんきんネット」を利用すれば、年金の受取額のシミュレーションもできます。毎年、誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」は必ず確認してください。
定年後の生活における大きな収入は年金です。いざ受け取るときになって、少ないと思っても遅いのです。年金の受給額を確認すれば、老後の生活をある程度イメージができます。
年金の受給額をベースに、毎月の支出を考えていきましょう。毎月の生活に足りない分が、老後資金からの取り崩しになります。ですから、できるだけ年金の受給額に合わせた生活費を考える必要があります。
つまり、年金生活は、年金という給料で生活をすると言ってもいいのではないでしょうか。そして足りない分をボーナス(老後資金)で補うと考えるとわかりやすいと思います。
たとえば、転職して新しい会社に行く場合には、必ず次の会社の給料を確認するはずです。確認しないで新しい会社を決めることは、普通ありませんね。
それと同じです。年金生活という新しい環境での収入(年金)は、まず確認をしてください。
退職金は余裕資金ではなく大切な老後の生活費
思ったより退職金が少なかったとしても、それなりのまとまった金額になります。しかし、ここで浮かれて気が大きくなって一気に使ってはいけません。退職金とは余裕資金ではなく、大切な老後の生活資金なのです。
退職金が少ない時には、少しでもその資金が長持ちするような対策を考えたいものです。その一つの方法が運用です。しかし、運用経験のない人がいきなり運用するのはとても危険です。ですから退職金などを一気に運用するのではなく、NISAやつみたてNISAを利用して時間の分散、投資対象の分散をして運用するのがいいでしょう。
そして、資金寿命を延ばす方法で、もっとも効果的なのは長く働くことです。長く働けば収入があるので、その分、資金を取り崩す金額が少なくなります。また、長く働くことが生きがいにもつながりますから健康寿命も延びていくことになるでしょう。