はじめに

「台風で損壊したことにして下さい」

間もなくして、業者から電話があります。

「保険が下りましたら、その他の外壁塗装とかもやりますよ。取りあえず一つ目の見積書で請求しておいて下さい」。その際、業者は次のような言葉で念を押します。

「前回の台風で損壊したことにして下さいね。くれぐれも、絶対に分りませんとか、曖昧なことは言わないようにしてください!」という指示をしました。もちろん、業者は男性の不安を煽るような言葉も忘れません。「すぐに修理しましょうね!次の台風が迫ってますから、大変なことになりますよ」

男性は、ちょうどその頃、私が出演したリフォームトラブルの実態をテレビの情報番組で見ていて「火災保険で工事費用はすべてが賄える」といった話がそっくりだったので、不安になりました。そこで、番組内で騙されないための対策としてあげていた「他の工事業者にも相見積もりを取っていいですか?」という言葉を、先の業者にぶつけてみた。すると、すぐに電話は切れて、その後音信不通になったいいます。

後日、男性は別の業者へ見積り依頼をしました。「雨どいの修理だけなら、約50万円でできますよ」と言われて、実際の雨どいが壊れた写真を添付して保険会社へ提出。保険会社からは30万円が出ました。結局、20万円を手出しすることになり、最初の業者が言ったような保険ですべてがタダになることはありませんでした。そもそも屋根の雨漏りもないのに、今回の台風で屋根が壊れたなどと嘘をつかせようとするなど、かなりの悪質な業者です。

このように、悪質な業者によるリフォームトラブルは、市役所などの工事関係者を装って「点検しましょうか?」と、突然の家を訪問するだけなく、ネットなどの上位に出てきた業者やポストに投函されたチラシの業者に依頼して、トラブルに遭うケースは多いのです。

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