キャリア

人手不足で脚光、日本のサプライチェーンを変える“名脇役銘柄”3選

供給網の効率化で先行

中間流通事業者が担うサプライチェーンの効率化

このように小売事業者がコストアップに苦しむ中で、卸売事業者を中心とする中間流通事業者が、小売業のコスト抑制に資するサービスを提供できれば、中間流通事業者はその存在意義が確立できる、またとないチャンスとなります。

中間流通事業者が、その立ち位置を生かし、オーガナイズできる主なコストとして物流費があります。製造業、卸売業、小売業の物流費の売上高比率の推移をみると、2013年以降、全業種で売上高物流費比率は上昇していますが、特に小売業の上昇は顕著です。

物流費率

物流費の高騰を招く要因の1つとして、輸送効率の低下が挙げられます。Just in time 生産システムの普及といったサプライチェーンマネジメントの拡大や、インターネット通販の増加により、輸送1回当たりの貨物量が減少しており、輸送の効率は低下しています。

こうした輸配送の非効率を解消すべく、企業間の共同配送の取り組みが進んでいます。物流事業者には、複数荷主をまとめ、共同配送を推進し、輸送効率を改善する取り組みが求められているといえるでしょう。

サプライチェーン効率化で注目したい3銘柄

物流の非効率の解消でサプライチェーンの効率化を図る企業としてトランコム(証券コード:9058)、また小売業のコストアップ対してコスト削減という付加価値を提供しサプライチェーンの効率化を担う企業としてデリカフーズホールディングス(3392)、PALTAC(8283)に注目します。

トランコムは、求貨求車という情報のマッチング事業を手掛ける企業です。求貨求車は、トラックを確保できない荷主と、積載に余裕のあるトラックや空いているトラックをマッチングさせるサービスで、ドライバー不足を受けて、マッチングニーズが拡大していることから、注目度が高まっている事業です。

デリカフーズHDは、外食チェーン店にカット野菜を中心とする野菜を配送する卸売事業者です。人手不足のため、外食企業ではアウトソーシングニーズが年々高まっています。こうした状況下、同社は食材加工のアウトソーシングニーズを獲得。食材加工設備や配送ネットワークの構築に積極的に投資し、自らの生産性を高めることで、外食企業のコストアップを抑える役割を果たしています。

PALTACは、卸売事業者でありながら、自社の物流生産性が非常に高いことが特徴です。この特徴を生かして、顧客への卸価格の変動を抑えたり、顧客の物流コストの削減といった付加価値を提供し、シェアを伸ばしています。

これらの企業は、いずれも積極的な投資とインフラの保有が顧客への付加価値提供の源泉となっています。競合に対して優位性を確立した“選ばれる”中間流通事業者であり、今後、中長期的にシェアの拡大とともに、堅調な利益成長が期待できるとみられます。

<文:企業調査部 甲斐友美子>

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