はじめに

消費税8%から10%へのアップの影響は?

ご紹介した文部科学省の教育費の平均データは最新のものですが、いずれも平成30年度のもの、つまり令和元年10月の消費税率引き上げ前のデータです。

そもそも授業料、入学検定料、入学金、施設設備費、在学証明手数料などは消費税はかかりませんが、それ以外はほぼすべて消費税率引き上げの影響を受けます 。教育費も消費税率引き上げの影響を受けて支出増となることが予想されます。

表2:公立中学校に通う場合の消費税率引き上げの影響 (単位:円)

資料:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」をもとに執筆者作成

表の青色部分が消費税が影響する教育費の項目です。具体的に文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」から、公立中学校の年間費用の平均額をもとに消費税率引き上げの影響をみてみましょう。

公立中学校の教科書は無償ですが、学校の指定で購入した学用品・補助教材などにも消費税はかかります。平均的な支出のご家庭では1年間で約8,700円の支出増という計算になります。

進学のたびに学習塾に通う、たくさん習い事をするというご家庭ほど消費税負担が重く感じられるでしょう。実際にこれから支払う教育費は、やや多めになると見込んでおきましょう。

令和2年4月から私立高校の就学支援金が引き上げ

前述したように、高校生の授業料を支援する就学支援金があり、都道府県で上乗せの補助があります。

しかし、私立では公立よりもご家庭の負担が大きいことに変わりはありません。そこで、令和2年4月から国の就学支援金は、年収目安が約590万円未満世帯の生徒に対し、39万6,000円まで引き上げられる予定です 。

図2:令和2年4月から私立高校授業料補助

出典:2020年4月からの「私立高等学校授業料の実質無償化」リーフレット

国の就学支援金の引き上げに伴い、都道府県ごとの補助も変更される可能性があります。まずは国の就学支援金を利用できるか、支給額がいくらになりそうか、一度確認しておきましょう。

就学支援金の支給については、ご家庭の年収、正確には親権者全員の市町村民税所得割額と道府県民税所得割額の合算額をもとに毎年判断されます。

2019年の収入に対する住民税の額は2020年6月頃に決定され、会社員なら勤務先から配布される住民税の決定通知書などに記載されます。早く見通しを立てたい方は、去年のものを探して参考にしてください。

なお、授業料以外にかかる学校に必要な費用に対しては、住民税所得割額が非課税または生活保護受給世帯などの低所得世帯向けに、「高校生等奨学給付金」などがあります。

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