はじめに

最大のヤマ場は高校3年生から!

短期間でまとまった大学進学資金を準備するのは大変ですから、早い段階で大学にかかる費用について考えておく必要があります。

高校に在学中から大学受験のために塾に通うなど費用のかけ方は、ご家庭の考え方によりますが、大きく膨らむことがあります。いざ受験にあたっては受験料や交通費がかかり、合格後は入学金や授業料など初年度納付金の支払いがあります。この受験費用や入学時の費用は、高校3年生のうちにかかってきます。

表3:大学の進路別学費(単位:円)

資料:「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」 および「私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」 をもとに執筆者作成

大学も進学先によって大きく費用が異なることが分かりますね。国立大学なら4年間で約243万円ですが、私立理系に進学すると約562万円になります。自宅通学の範囲外に進学すると、1人暮らしのための費用も必要になります。

大学の受験料、入学金・施設設備費・授業料といった学校への納付金 、1人暮らしの家賃には消費税はかかりません 。しかし、学習に必要な書籍、ノートパソコン、家電など、幅広く消費税率引き上げが影響します。

あくまで平均でデータにあらわれない支出もありますが、具体的な金額が分かった方が早く貯蓄に取り組みやすいので、上記のデータをもとに、我が家の教育費の総額を計算してみましょう。

教育費の金額の大きさに驚かれるかもしれませんが、さまざまな学生を支援する制度があります。令和2年4月からは、住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯の学生に対する、授業料の減免・給付型奨学金といった新しい制度も始まります。

進学先がまだ決まっていなくても、手続きは高校3年生のうちからできます ので、こういった支援制度を早め早めに調べておきましょう。

「子どものためにいつも最高の教育を」という親心は痛いほど理解できますが、早い時点で教育にお金をかけすぎ、資金面の問題から希望の大学を諦めることになってしまっては本末転倒です。教育費プランを1度立てたとしても、長期的な視点から都度、見直しを行っていくことが大切です。

この記事の感想を教えてください。