はじめに

投資は少額からチャレンジを

現状では生活を守る貯金がありますので、前述したように年間で使うための貯金を作りつつ、iDeCoやつみたてNISAを並行して取り組むとよいと思います。ただ、どちらか、または両方に取り組むにしても投資や制度についてある程度知っておいた方がよいと思いますので、関連する記事や書籍を読んでおくとよいと思います。

それぞれの月の掛け金の上限は、つみたてNISAは3万3000円ほど、iDeCoは企業年金に加入していなければ2万3000円です。iDeCoは掛け金が全額所得控除されるので、所得税や住民税が安くなるメリットがありますし、なんといっても長期的な運用は貯金よりも資産を増やせる可能性があります。できれば上限近くの金額で積立てたいものです。

これらの投資制度は「初心者にも適する」といわれますが、投資は投資。「リスク」といわれる不確実性があります。その許容度がどの程度あるかにより継続が難しい場合もありますから、まずは数千円程度の少額から始めて、慣れて継続が問題なさそうであれば金額を増やしていくようなやり方でもよいと思います。

iDeCoはいったん始めると解約ができないので、つみたてNISAもしくは通常の課税口座で始めて様子を見るとよいでしょう。

少額で投資を始め、様子をみているうちに、使う貯金の必要額も把握できてくるかと思います。そうなれば、毎月の貯金と投資に充てる金額の配分も見えてくるのではないかと思います。

お金を貯めるには「夫婦別サイフ」の見直しを

夫婦別々に収入を管理する「夫婦別サイフ」は、最近多い家計の在り方となっています。自分の収入を大切にしたい気持ちはよくわかりますので、上手くやれているご夫婦にはよいと思いますが、一方でいろいろ問題を生んでいる家計管理法とも言えます。

支出の偏りや、仕事ができない状況でも生活費を負担しなくてはいけないなど、別サイフでなければ発生しないような問題を家計相談の場面でよく耳にします。

そもそも、別々に収支を管理すると不要な支出が多くなりがちで、お金を貯めるには非効率です。重複した支出が多く生まれたり、各費目の支出額が多くなりがちだったり。一緒に管理していれば最小限でおさまったであろう支出が多く含まれるのです。つまり、少し無駄が起きやすい状況になるというわけです。

また、相手のやりくりを把握してないがために、老後資金を含めどれだけ準備できているのかがわからなかったり、相手がお金に困っているときも気が付いてあげられないなどもあります。

別サイフを継続するのであれば、できるだけ共有部分を多くするとか、互いの収支を報告しあい、互いの状況を把握しあうなど、共有できるような工夫ができると、よりよくなると思います。お金もよく貯まるようになると思いますよ。

少し難しく思われるかもしれませんが、まずはご主人とお金について話し合えるように、機会を見て声をかけてみましょう。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

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