はじめに

当たり前だと思っている支出を疑って

家計表を拝見すると、通信費や教育費といった固定費が高めだと思えることに加え、食費や水道光熱費といった変動費の負担も大きいようです。まず、これらの支出が妥当かということを考えてみましょう。

通信費は、プランの見直しと変更で安くなったり、格安業者への乗り換えで安くするということもできます。お子さんが大きくなると自分用のスマホを欲しがるようにもなるでしょうから、今のうちに「我が家の使い方」から、どのような契約が最も妥当なのなのかを検討してみてください。

教育費は習い事などはきちんと意味があるのか、食費は無駄にしている食材がないかといった、当たり前を時には疑ってみましょう。また、お子さんが小さいお宅にありがちですが、水道光熱費が高くなる原因の一つに「洗濯機の回しすぎ」があることもあります。“汚れたらすぐ洗う”では電気代も水道料金も上がってしまいます。使い方に少し気を配ると、もともとの基本料金が高い地域でも、多少の節約につながると思います。

少々細かいことをお伝えするようですが、「必要」で購入しているのか、「欲しい」で購入しているのかを考え、支出の優先順位を考えられるようになると、支出は減らせると思います。

まずは生活防衛資金から、生活費7.5ヵ月分を貯める

支出を減らすことができ、黒字化したら、まずは生活防衛資金を貯めることを目標にしましょう。

ただ、生活防衛資金の前に、イレギュラー支出にも対応できる、ゆとりある毎月の生活費を確保することが先になります。その目安は、毎月の生活費の1.5ヵ月分。日々の暮らしに使い、給料が入ると1.5ヵ月分に近づく、または超えることが特徴です。この金額をすべて使って暮らしてよいわけではありません。万が一急にお金が必要になった場合でも、生活防衛資金を崩さずに暮らせることを目的に、多めに設定しています。

次に生活防衛資金として、生活費の最低6ヵ月分を貯めます。それでは不安という場合は、6ヵ月分以上、1年分などを準備しても構いません。これは本当に必要な時にしか引き出すことがない、貯めることが目的の部分です。

この2つを合わせると、7.5ヵ月分が必要になります。相談者さんの場合は、およそ263万円。これを目標に貯めていくと、貯める習慣もできるでしょうし、教育費も貯めていくことができるのではないかと思います。
 
また、児童手当を貯めていくことができれば、さらに教育費は貯めやすくなります。そうやって家計を整えていくことができれば、不安も随分と軽くなると思います。

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