はじめに
家計は問題なし、住宅ローンは借り換えの検討を
現在の家計は、「お小遣い5万円」と「その他1万円」の内容にもよりますが、衣服や交際費、趣味・娯楽などの費用が含まれているのであれば、それほど使いすぎというわけではないと思います。
ただし、「今の家に住み続けよう」という判断であれば、住宅ローンの見直しはあり得ると思います。現在は10年固定金利で1.2%の金利を選択されていますが、変動金利が過去最低水準まで下がっています。住信SBIネット銀行や、ジャパンネット銀行などは、0.4%前半や0.3%後半の金利が出ています。
返済期間が10年以上残っていて、借入残高が1000万円以上あれば、見直すことで住宅ローン支払い額が下がる可能性があります。もちろん変動金利は金利上昇の可能性がありますが、過去の変動金利の状況や今後の日本の経済を見越すとそれほど大きな金利上昇は考えづらいのでご検討いただいてもよいと思います。
売却する際には仲介手数料にも注目して
またマンションを売却する場合には、不動産仲介会社を経由して販売することになると思います。その場合の仲介料は、印紙税や登記を外す費用などに加え、仲介手数料3%+6万円に消費税を加えた額で提示されることが一般的です。
仮に1000万円で売却した場合、30万円+6万円に消費税ということになります。この仲介手数料の3%というのは仲介会社が提示してよい上限であり、3%が絶対の金額ではありません。契約の際に仲介手数料2%、1%など、交渉に応じてくれる仲介会社もありますので、複数の不動産仲介会社から選ばれるとよいと思います。
また、住宅を売却して利益が出た場合、売却した年の1月現在で購入から5年経っているようであれば長期譲渡所得ということで、譲渡所得に対して20.315%の税金が発生します。こちらについても譲渡所得から最高で3000万円を控除できます。この控除のことを「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例」といいます。
売却時のマンション価格によりますが、2100万円で購入した物件から譲渡所得が3000万円を超えることは考えにくいので、利益がでても無税になると思いますが、その際は税理士か税務署にお問い合わせください。
まとめると、老人ホームに入ることを前提に資産形成を考えた場合、現在のマンションの売却は住宅ローン完済後の方が手元にお金が残る可能性があります。
また、家計はそれほど無駄遣いがあるわけでもないので、無理な切り詰めは必要ないと思います。現在44歳で、まだまだ介護を受ける年齢までに時間があると思いますので、現在の現金資産を「つみたてNISA」や「確定拠出年金」などの税制優遇制度を活用した運用にまわしていくのがよいと思います。ぜひ長期投資を学ばれて実践されてはいかがでしょうか?
以上、ご参考になれば幸いです。
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