はじめに

DIは分岐点を大きく下回る20台

景気ウォッチャー調査では、現状の景況判断を「良くなっている」「やや良くなっている」「変わらない」「やや悪くなっている」「悪くなっている」の5段階で回答します。DIを作成する時には0.25刻みでそれぞれ「1」「0.75」「0.5」「0.25」「0」の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じてDIを算出します。50が景気判断の分岐点になります。

地域と分野・業種の2つの軸からバランスよく、日本経済の縮図になるように選ばれた景気ウォッチャーは、5段階の回答に関しての判断理由を明記するので、新型コロナウイルスに言及したコメントから、その要因DIを計算することができます。

1月の景気ウォッチャー調査を使って「新型コロナウイルス」関連判断DIを作成してみると、分岐点の50を下回り、現状判断DIが29.1、先行き判断DIが29.9となりました。全員が「やや悪くなっている」とコメントすると25.0ですから、それに近い数字であるといえるでしょう。

現状判断DI

現状判断で新型コロナウイルスに言及した人の割合は、全国平均で5.3%でしたが、これを上回った地域は近畿11.6%、北海道9.2%、沖縄7.9%、九州6.6%の4地域。いずれも中国人観光客のインバウンド需要が大きい地域です。

先行き判断DI

また、先行き判断DIの29.9は、前月12月の全体DIである44.5より14.6ポイント低い数字です。コメントした人の割合が18.8%であることからみて、1月の全体・先行き判断DIを2.7ポイント程度押し下げた可能性があるとみられます。

SARS発生時はどう推移したのか

2003年の「SARS」関連判断DIの推移をみると、SARSに関するコメントは3月調査で初めて登場しました。3月調査が現状11人、先行き4人でした。最もコメント数が多かったのが5月調査でした。SARSが終息方向に向かうとコメント数が減少し、9月調査では1ケタに低下しました。

「SARS」関連現状判断DIは3~6月は「13.6」「21.1」「27.0」「48.9」と景気判断の分岐点の50を下回っていましたが、7月・8月では「63.1」「66.7」と60台まで上昇しました。

最後に「ESPフォーキャスト調査」についても触れておきます。この調査では2017年6月以降の偶数月に、「半年から1年後にかけて景気上昇を抑える(あるいは景気を反転させる)可能性がある要因」を特別に調査しています。フォーキャスターには3項目まで選択してもらっています。

2020年2月調査で「新型肺炎の感染拡大」について初めて選択肢に加えたところ、34名のフォーキャスターの94%に当たる32名が選択しました。32名という人数はこの調査史上最大です。2位は「中国景気の悪化」で31名でした。

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