はじめに

契約社員という働き方を選ぶなら、自分磨きは必要

転職を繰り返した結果、今の職場がよいということですが、老後資金作りの計画をまっとうするには少し不安な点があります。それは「契約社員」という働き方です。

契約期間が現状無期であるのなら問題ないのですが、期間の定めがある有期契約の場合、5年経過すると無期契約に変更しなくてはいけないという決まりがあるので、雇止めにあうこともあります。雇止め自体は合理的な理由がないと認められないものではありますが、この辺りはここでは判断できません。

万が一雇用が継続されなかったとすると、前述のような資産形成の計画が難しくなる場合があります。ですから働き方はよく考えておいた方がよいかと思います。

会社が手放したくないと思えるような武器を身につけるなど、交渉材料を作っておくこともよいかもしれません。キャリアアップは望まないとおっしゃいますが、ある程度の自分磨きは必要だと思います。

また、5年が過ぎて無期契約になれるとしたら、正社員として迎えてもらえるのか、契約社員のままなのかも少し探って、知っておきたいところです。もし正社員になれるなら、収入アップにつながるかもしれませんから。

女性の場合、40歳を過ぎると年収がグッと下がる傾向にあります。その背景には、子どもが生まれて落ち着いてから復職したら収入が減ったとか、職場に求められなくなったとか、様々な理由があります。相談者さんに該当しないかもしれませんが、少し警戒しておいてもよいかもしれません。

収入を維持し、計画を遂行するためにはどうしたらいいかを考えていきましょう。

趣味のために生活費を絞るのは◎、結婚はあきらめず柔軟に

趣味がしっかりとあることはよいことですね。生活費を絞ってもそこに少しお金をかけたいというメリハリが、上手なやりくりを継続させているポイントではないかなと思います。必要なところにお金をかけ、必要と感じない部分は絞るということは、今後も継続してほしいところです。

ところで、これからは独身で暮らすということで老後資金の計画などをみてきましたが、相談者さんはまだ30代前半です。これから出会いもあるでしょうし、晩婚化が進む今、人生を決めてしまうこともないのではないかと思います。

この先も一人の場合は、今回のような老後資金を作れるかもしれませんが、もしパートナーができた場合は、またお二人の状況を合わせて計画を練り直すなど、柔軟に考えていきましょう。一人だと計画通りに貯められたのにと思うこともあるでしょうが、二人でいるからこそ精神的に乗り越えられる部分も出てくるかもしれません。

もちろん、一人でいることが悪いわけではありませんが、まだ先は長いですから、自分を磨き、楽しい時間を過ごすことを考えても悪くはないのではないかと思います。余計なことかもしれませんが、客観的にそう思いました。

今の資金計画が上手くいくことを片隅に置きつつも、楽しく人生を歩んでほしいと思います。

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