はじめに

加給年金を受け取れない!?こんな場合には注意!

前述の受給要件を満たしたとしても加給年金を受け取ることができないケースもあります。注意が必要ですので一緒に見てみましょう。

<夫が老齢厚生年金を繰り下げしたケース>
老齢厚生年金を65歳から受け取らずに繰り下げをすることで1ヶ月当たり0.7%の増額となります。年金繰り下げは長生きリスクへの有効な対策になるいっぽうで、加給年金は老齢厚生年金を受け取るまで支給停止となってしまいます。

支給になるのは老齢厚生年金を受け取る時点、しかも加給年金の増額は無しですからメリットがなくなると感じる人もいるかもしれません。そして、そもそも妻が65歳を超えてしまっていたら加給年金を受け取ることはできません。夫の老齢厚生年金の繰り下げをする際には注意が必要です。

ちなみに、逆に繰上げをした場合、加給年金は繰上げにならず本来の加算時期からの支給になります。

<妻が20年以上の厚生年金被保険者期間がある厚生年金を受給できるケース>
このケースは、妻が65歳前に特別支給の老齢厚生年金を受給する場合に該当します。特別支給の老齢厚生年金を受給する年齢は生年月日により決められています。(昭和41年4月1日生まれ以降は受給できません。)

特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢

生年月日 受給開始年齢
昭和33年4月2日~昭和35年4月1日 61歳
昭和35年4月2日~昭和37年4月1日 62歳
昭和37年4月2日~昭和39年4月1日 63歳
昭和39年4月2日~昭和41年4月1日 64歳

たとえば、昭和36年生まれのAさんに12年間のOL時代があり、結婚して一時専業主婦となり、その後パートで厚生年金加入のケースを見てみましょう。

Aさんが8年以上働くと厚生年金の被保険者期間は20年を超えてしまいます。しかし、20年を超えただけでは加給年金の支給停止にはなりません。

少しわかりにくいのですが、年金額の計算をするときに「退職時改定」というルールがあるため、ずっと同じ職場で働き続けている場合には年金額は更新されません。

仮にAさんが61歳で特別支給の老齢厚生年金を受給する時点で働き続けているとしましょう。この時に厚生年金の通算加入期間が19年であれば、特別支給の老齢厚生年金は加入期間19年に基づいて計算・支給されます。

夫が65歳を過ぎていれば加給年金も支給されます。Aさんは65歳までとりあえずパートを続けたいと思っていますが、62歳になると厚生年金の加入期間が20年となってしまいます。

ここからがポイントです。同じ職場でパートを続けていれば加給年金を受け取ることができますが、退職して違う職場で働くと加給年金は支給停止となるのです。

退職時改定というルールにより、退職後に厚生年金の加入期間が再計算されることでこのようなことが起きるのですが、ここは制度の話になりますので、とりあえず以下のポイントをチェックしておきましょう。

1. 生年月日が昭和41年4月1日以前か?
2. 1に該当する場合、特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢は?
3. 2の受給年齢になる前に厚生年金の通算加入期間を確認、その後の働き方を考える

加給年金を受給するつもりで厚生年金に加入してパートをしている人は、特別支給の老齢厚生年金を受給する前に最寄りの年金事務所に相談して今後の働き方を考えてみてはいかがでしょうか?

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