はじめに
勝てなくなる時まで続ける
――デイトレから中長期トレードへと幅を広げてきました。今後についてはどんなふうに考えているのですか。
先のことはわかりませんが、いずれ勝てなくなると思っています。だからこそ、勝っている間は続けますし、勝てなくなったら潔くやめると思います。もっとも避けたいのは、勝てなくなった時に「あの時にもっと稼いでおけば良かった」と思うことです。いまはできることを見つけて全力で取り組んでいるので、やめたとしても現時点では後悔はないです。
――勝てなくなる時のことを考えているとは意外でした。
スポーツ選手と似たようなところがあって、やりたくてもできない時、勝ちたくても勝てなくなる時が来ると思っているんです。僕らの仕事は勝って初めて仕事として成立しますから、勝てなければ無職、通用しなくなれば無職です。中長期トレードに関しても、いまのところは勝っていますが、始めたのが16年からで、なんとかショックと名がつくような大きな下げ相場が来ていません。
いつかはわかりませんが、大きな下げ相場は来るでしょう。その時にいかに傷を浅くするかが大事ですし、良い相場だけでなく、悪い相場も経験し、その結果として残ったお金が本当の実力なのだと思っています。
――通用しなくなったと判断する基準はあるのですか。
資産がピークから4割減ったらやめようと決めています。トレードはマイナスが当たり前にありますので、1、2割減ることはあります。過去に3割減ったことないのですが、それはおそらくデイトレだったからで、地合いの影響を受ける中長期トレードは3割減もあるかもしれません。ただ、そこを超えて4割減になると、自分のトレードが通用していないのだと思います。
ポートフォリオ上でも、何かの間違いで3割減ることはあっても、4割は減らないように計算しています。そう思っているにもかかわらず4割減ったとしたら、自分の考えや計算が通用していないということですので、やめた方がいいだろうと思っているのです。
――逆にいうと、4割減るまでは続けていくということですね。
そうですね。4割減ってやめるということは、ピークの6割のお金が残るということです。ピークを伸ばせばやめた時に残るお金も多くなり、30億なら18億、40億なら24億に増えますので、そこを目指して取り組んでいくつもりです。また、4割減ったらやめようと考えているので、今の資産の額は本当の額だとは思っていません。
いくら持っていたとしても、最終的に残るのは6割ですから、自分の資産の額は手持ちの6割だと思っています。
――ありがとうございました。
※本稿は、2020年2月16日に開催された松井証券主催の株式セミナー「利益35億円トレーダー テスタさんに聞いてみた 相場で勝つためにしている○○のこと」でテスタ氏が講演した内容と、講演前に行った個別取材の内容を再構成して編集したものです。