はじめに

増える相続争いと注目される遺言書の作成

遺産分割協議の決着が全員一致しかなく、実際問題としてそれでは非現実的なため、遺言書を作成しておいた方が良いとなるわけです。冒頭でもお伝えしたように、家庭裁判所への遺産分割による申し立て件数は徐々に増加しています。また、日本公証人連合会からのお知らせによれば、公正証書遺言(※)の作成件数は毎年増え続け、平成26年1月から12月までの公正証書遺言の作成件数は、10万4490件となり、初めて10万件を超えました。

(※)公正証書遺言とは、遺言者が公証人の面前で遺言の内容を口授し、それに基づいて公証人が遺言者の真意を正確に文章にまとめ公正証書遺言として作成したもののこと。

遺言書があったとしても、遺留分の侵害があった場合などはやはり揉めやすいのですが、遺産分割協議の場合よりは遥かに話が簡単になります。遺産分割協議の場合、反対者は分割協議書に判子を押さないだけで良いので、抵抗のハードルは極めて低いのです。

ちなみに遺留分の侵害を主張する場合は、自ら遺留分の減算請求(遺留分の請求行為)をしなければなりません。この手続きには自ら遺留分を計算し、内容証明郵便などでその請求を行う必要があります。

遺留分の減算請求の手続きは、法律関係の仕事に就いている、あるいは就いていた人以外には弁護士などの専門家に頼らないと難しいでしょう。判子を押さないだけで良い遺産分割協議の場合と異なり、手続きのハードルが高く、揉めごとになりにくいのです。そのため、相続争いを避けるには、遺言書の作成が肝といわれています。

遺言書の作成は公正証書遺言がおすすめ

遺言書の作成は、「公正証書遺言」が一番おすすめです。

遺言書には「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があり、読んで字のごとく自筆証書遺言は遺言者自身が作成の決まりに沿って書いたものになります。公正証書遺言は、遺言者から公証人に内容を伝えて作成してもらい、公証人役場に保管もしてもらうというものです。

公正証書遺言の方が保管を任せられる、内容の証明もしてくれるなど、効力の有無など争いになる可能性が低いためメリットが多いと言われます。また、そもそも遺言書の作成はルールが難しく、自筆証書遺言書を法律の専門家以外の方が正確な内容で書くのは難しいのです。せっかく遺言書を作成しても、法的に無効になってしまったり、そのことが原因で争いになったりしては元も子もなくなってしまいます。

例えば、遺言書で指定して誰かに不動産を贈る場合、遺言書には贈る不動産の住所だけでなく地番まで書かなければなりません。所有する不動産の地番がわからないという方や、そもそも「地番」という言葉の意味を知らない方も多いと思います(地番とは登記所が付し、主に不動産登記で使用される番号のことをいいます)。

しかし、公正証書遺言であればこのような心配はいりません。公証人は元裁判官などの法律の専門家であり、遺言書作成のルールにも詳しいため、要件に沿った内容で作成してくれます。そのため、公正証書遺言の作成をする人が増えているのです。

このように正しい遺産の分け方を理解することが、争わずに数世代にわたって家族の資産管理を上手に行っていくために必要なのです。

提供:相続tokyo
相続tokyo」は、相続に関するあらゆる情報を発信しているウェブメディアです。相続、税金対策など、世代に渡る最適な資産管理をすることで、人々がより豊かなライフスタイルを実現していくことを支援するサービスを提供しています。

(この記事は相続tokyoからの転載です)

この記事の感想を教えてください。