はじめに

住宅ローンの返済月額を今の家賃と同じにするのが危険な理由

住宅購入の予算をいくらにするかは、いくつかの考え方があります。

今回は、支払っている家賃をもとに考えてみます。毎月の家賃は7.8万円、ほぼ同程度の毎月8万円を住宅ローンの支払いとすると、金利1%、返済期間30年(すぐに購入すると返済終了は夫65歳、妻64歳)なら、約2500万円の借り入れができます。手持ちの貯蓄から頭金と諸費用として500万円程度出すと、2800万円程度の住宅を購入できます。

考えていた予算よりも低いと感じたかもしれません。ご相談者の年収をもとにした計算では、不動産会社や金融機関からは4000万円程度の物件を勧められるでしょう。

実際には、ローンの支払いは月8万円でも、賃貸では不要だった固定資産税や、マンションなら修繕積立金や管理費が必要になります。物件によりこの費用は異なりますが、月あたり2万~3万円前後は見込んでおいたほうがいいでしょう。つまり家賃並みのローンでも、月2万~3万円は負担が増えることになります。また持ち家は、住宅の修理やリフォーム費用も自分持ちですから、不定期にまとまった費用が必要になります。

車をお持ちですが、出産後も子連れで出かけるのに車が必需品なら、車の買い替え費用も発生します。住宅を購入し子どもが生まれた後は、「その他の支出」に含まれていた不妊治療の費用がなくなる代わりに、こういった持ち家の維持費や、子どもの成長にともなう生活費が増えるわけです。

年齢が上がり、仕事上の役職なども上がって収入が増えれば、増えた分でカバーできる可能性はありますが、収入が変わらなければ、現在33%の貯蓄率は、低下していくでしょう。毎月のローン返済が家賃相当額よりも高い住宅を買った場合は、収入が変わらなければ、さらに貯蓄率は低くなります。

老後資金として手取り10%は貯蓄を

先ほどと同じ条件で、住宅ローンの借入をあと500万円増やして3000万円にすると、月当たりのローン返済額は約10万円になります。維持費を含め、住宅のための支出が現在よりも5万円ほど増えます。このあたりが限度ではないでしょうか。

なぜなら、老後資金の準備を考えると、毎月の貯蓄額は手取りの10%、5.5万円を維持したいからです。ご相談者は、ご夫婦ともに30代半ばとまだ若いので、毎月5.5万円の貯蓄を取り崩すことなく続けていければ、公的年金を受けとる65歳までには元本で1980万貯まります。勤務先の退職給付の状況がわかりませんが、共働きで老後は二人分の厚生年金を受け取れるので、自助努力で貯めた元本1980万円と退職金などがあれば、それほど心配はいらないでしょう。

勤務先に確定拠出年金があれば投資信託で運用する、なければiDeCoや、つみたてNISAを使って、毎月の貯蓄の一部を運用していくことも検討してください。

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