はじめに

各国が打ち出した経済対策の効果は?

新型コロナウイルスの感染がどこまで拡大し、最終的にどのような影響が生じるのかについて、投資家やアナリストはさまざまな予測を試みています。ただ、感染拡大という懸念を払拭しなければ、いくら金融財政政策を打ち出しても実体経済の悪化は止められないとみています。

実際、週末に発表された中国の2月の製造業PMI(購買担当者景気指数)は前月から14.3ポイント低い35.7と、リーマンショック直後の38.8を下回り、過去最低。非製造業PMIも前月から24.5ポイント低い29.6と、こちらも過去最低を記録しました。

結局、新型コロナウイルスの感染拡大の収束にメドを立たせることが、最大にして唯一の経済対策になるとみています。また、中国の新型コロナウイルスをめぐる「悪材料の出尽くし」は、同国内だけの問題でなくなったことから「時期尚早」とも思います。

当面は世界的な感染動向に加え、3月中旬に出される中国の1~2月の主要経済指標の内容と、それに伴う株式市場の反応を確認しながら、今後の投資のタイミングを探ったほうが良いと考えます。

<文:市場情報部 佐藤一樹>

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