はじめに

マンションが「半投半住」に適するワケ

ここまでは主にマンションの話でしたが、「半投半住」の考え方は、実は戸建てにも当てはまります。マンションのほうが売りやすく貸しやすいのは事実ですが、戸建てでも投資目線で充分に魅力的な物件が増えてきました。

ちなみに、なぜマンションのほうが売りやすく貸しやすいのでしょうか。マンションは長期修繕計画に基づき、中古であっても一定程度のメンテナンスがなされているからです。また、マンションの場合は内装さえリフォームすれば、新築同様に住めるケースが多く、バリューアップの追加コストがリーズナブルです。

一方で、戸建ての場合、購入後のメンテナンスは入居者自身に委ねられます。そのため、マンションに比べて個体差が大きく出てしまうのです。さらに、新築同様に修繕しようと思えば、内装だけでなく、外装にも手を加えなければならず、場合によっては構造や断熱の補強も必要になってきます。

マンションのリノベーションコストの相場が500万~1000万円程度だとすると、築年数の古い戸建ての場合は1500万~2000万円程度かかってしまうケースがママあります。安い新築を建てるのと大差ないコストがかかってしまうため、これまではマンションと同じ市場性をなかなか持てなかったわけです。

戸建ても条件次第で競争力を持てる

しかし、近年は変化の兆しが見えつつあります。立地のいい戸建て、住宅性能表示制度が設けられた2000年以降に建てられた戸建てです。制度ができたことで、新築時の耐震性や断熱性などの品質が、国の定める性能評価書付きで可視化されるようになりました。それに伴い、新築時の戸建て品質も底上げされています。

つまり、駅徒歩数分圏内の利便性があり、なおかつ住宅性能評価書付きの戸建ては、マンションと同様に売りやすく、貸しやすい優位性を持っています。特に賃貸市場において立地のいい戸建ては希少性が高く、マンションと比較しても十分な競争力を持っているといえるでしょう。

さらに、戸建てはマンションに比べ、新築に割安感があります。さきほど、マンションは2013年時点に比べて1.3倍から1.5倍に価格が高騰したと書きましたが、その間、戸建ての建築コストはほぼ横ばいです。

マンションのように、ホテルやオフィスと用地が競合することもほぼありません。駅から歩ける範囲の新築戸建てで、性能評価書付きなど高性能な物件は、狙い目といえそうです。

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