はじめに
市場は100年に1度の危機も乗り越えてきた
前回の大暴落、リーマン・ショックを振り返って考えてみましょう。2008年9月、アメリカの大手投資銀行のひとつ、リーマン・ブラザーズが破綻しました。この影響が世界各国に飛び火して発生した株安をリーマン・ショックといいます。100年に1度ともいわれた金融危機のインパクトは大きく、先に紹介した日経平均株価も一時7,000円を割り込むほどでした。
もちろん、アメリカの株価も大きく下落しました。しかし、その後どうなったでしょうか。以下はS&P500という、アメリカの大型株500社の株価で作る株価指数の推移です。
2008年9月に発生したリーマン・ショックの影響は半年ほど続き、アメリカの株価はリーマン・ショック前の半分ほどになったのです。しかしそこから数年でリーマン・ショック前の水準に回復し、さらに大きく株価を伸ばしてきたのです。100年に1度の金融危機も、市場は乗り越えてきたのです。
実際、リーマン・ショック時に慌てて資産を売ってしまった人もたくさんいるでしょう。そうした方々は、売った後の上昇の恩恵を受けられなかったことになります。しかしここで下落にも動じずに、淡々と投資を続けてきた人は、資産が倍増していることになります。
また、上図はリーマン・ショックが起こった2008年9月から、S&P500に毎月1万円積み立てた場合の推移を表します。本稿は3月26日に執筆していますので、2020年3月末のS&P500及びドル円の数値は、3月25日時点のもので代用しています。
これによると、2020年3月末時点で積立元本は139万円、これに対し資産総額は246万円となっており、運用益は107万円あります。なお、2020年1月末時点では積立元本は137万円、資産総額は312万円で運用益は175万円もありました。
リーマン・ショックが起こってから積み立てを開始していた場合、今回の下げ相場が来てもプラスを保てていることが凄いと思いませんか?
今回のコロナショックも同様に、きっと乗り越えられるはずです。