はじめに

どのスタイルでもチャンスはある

――たけぞうさんはディーラーのころからデイトレなど短期のトレードを中心としてきました。暴落時や市場が揺れている時は時間軸は短い方がおすすめですか?

そうとは限りません。時間軸を短くすることによって暴落に巻き込まれるリスクは小さくできますが、買い目線で見ると、今回のような暴落は中長期で持つ人にとって底買いのチャンスかもしれません。ドルコスト平均法で買っている人も単価が下がりますので良い機会になるでしょう。投資スタイルは様々で、いろいろな戦略があるのが当然だと思っています。

――投資を始める人の多くは短期と中長期といった分類で考えがちですが、どちらが良い、どっちが安全といったことはないのですね。

そういった分類そのものをあまり考えなくて良いと思っています。投資スタイルに縛られず、いろんな手法を勉強しながら「いいとこどり」する感覚を持って向き合いたいですね。とくに今は手元のスマホですぐにトレードできる環境が整っています。そういう環境を生かしながら、いろんな手法に挑戦してみるのが良いと思っています。中長期をやってみたい人がデイトレしてみても良いでしょうし、さらに時間軸を短くして1分で売買しても良いと思います。もしかしたらその方が自分に合うかもしれませんしね。

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――テクニカルとファンダメンタルズについても同じですか。

はい。明確に分けて考える必要はあまりないと思っています。ただ、私は今は短期トレードが多いので、ファンダはあまり見ていません。業績などを分析すると良い銘柄や買いたい銘柄が見えてきます。それ自体は良いことだと思いますが、今回のような暴落時には売り遅れる原因にもなります。業績が良いとわかっているため、なかなか手放せなくなってしまうのです。ファンダに囚われなければ、下がった時にすぐに手放せます。暴落を乗り越えるという点で言えば、いったん売り、上がってきたらまた買えば良いといったくらい柔軟な発想を持つことが大事だと思います。

たけぞう
1988年、中堅証券会社に入社、4年間の“場立ち"を経て、20年間以上、証券ディーラーとして活躍。多いときには約10億円の資金運用を託され、重圧と戦いながら約50億円の収益を上げる。2018年まで約30年間勤務したのち、独立して個人投資家に。著書に「50億稼いだおっさんが教える 月5万稼ぐ株投資」(ぱる出版)がある。2020年3月26日オープンの「みんなの投資サロン by MONEY PLUS」にレギュラー投資家として参加。個人投資家に向けて日々の情報発信を続けている。

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<写真・木村哲夫>

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