はじめに

生き残りさえすれば簡単に勝てる時が来る

――ひとくちにIPO投資といっても狙いどころや売買方法はいくつもあるのですね。

そうですね。セカンダリー投資に関しては今のように地合いが悪い時も狙えると思います。地合いが悪くなると初値が公募価格を下回る銘柄が出やすくなります。ですが、公募価格前後まで時間をかけてでも上げてくることがあるのです。簡単に言えば、投資家に逃げ場を作ってくれるわけですね。その値幅を狙うセカンダリー投資は有効だと思います。

また、地合いが悪い時は少しだけ目先を変えて、POをもらう手もあります。日銀が買ってくれる可能性が高いREITなどは地合いが悪い時でも比較的買いやすいと思います。とくに最近はIPO投資が周知されたため抽選配分の銘柄は当選しづらくなりました。そういう背景もあり、僕も最近はPOを継続的に狙うようにしています。

――IPOはリスクが低いと言われていますが、それでも地合いの影響は受けるのですね。

株関連で複数の著書を持つ投資歴30年以上の兼業投資家JACKさん

はい、いい時があれば悪い時もあるのが相場です。僕自身、リーマンショックの時は前述した返報性狙いで恩を売る海外債券で1,000万円負けたことがありました。ただ、大きな損があっても、手法を工夫するなどしていけば生き残れます。退場さえしなければ、5年や10年に1回くらい誰でも簡単に儲かるような不思議な相場が来ます。リスクを抑えつつ、どうにかして生き残ることが一番大事なのだと思います。

――JACKさんは投資歴30年以上です。生き残る秘訣は何ですか。

僕を含めて長く投資を続けている人を見ると、ずっとうまくいっている人はほとんどいません。みんな大きく損をした経験があり、大きいロスカットをして、そこでどうすれば良かったのかと考えてきた結果なのだと思います。株長者が生まれることがあれば、株で資産を失う人がいるというリスクをきちんと分かっておくことは大事ですよね。

僕自身について言えば、もともと性格が“チキン”なこともあって、含み損が100万円以上になると眠れなくなります。1銘柄で10万円の含み損になるだけでも嫌なので、すぐに切ってしまいます。それが結果として早めのロスカットになり、資産を大きく減らさずに済んだのかもしれません。今の相場でもロスカットせずに我慢している人がいますが、買値に戻るまでどれくらいかかるかわかりませんし、戻るかどうかもわかりません。それならいったんロスカットして、戻りそうなタイミングで再度エントリーする方が良いと思います。

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