はじめに

平均に比べて高い支出から取り掛かることも一つの手段

そうはいっても、どこから減らしていいかわからないというような場合もあるでしょう。そういう場合は、一般的に多くのご家庭はどの程度の支出で暮らしているのかを見てみましょう。インターネットが使えるのであれば、「家計の理想割合」などと検索して出てくるものを参考にされてみてください。

すると、相談者さんのご家庭では全体的に支出が多いこと、特に食費が夫婦二人分とは思えないほど多いことに気がつくでしょう。それであれば、どうすると食費が下げられるのかを考え、実行してみるとよいのです。

食費が高くなる原因は、老後の場合、たくさんあります。世話をする人が少なくなったので、自炊することが面倒になった。惣菜、弁当、外食ばかりになった。高齢者向けの宅配食を食事のメインとするようになった。いわゆる美味しい食材、高級食材などを買うようになったなど、様々です。他に単に浪費で購入している場合もあります。

自分たちの家庭がどのような支出をしているのかを把握し、改善できそうな部分があれば改善することで、支出は随分下げられるようになると思います。また、その他、水道光熱費、通信費などについても同じように見直しをしていくと、支出を減らすことができる可能性があります。

健康第一が一番の節約! 老後資金を長持ちさせる方法

支出の削減をお勧めしましたが、若い人が取り組むような無理な節約は厳禁です。今は健康第一でいることが大切ですし、それが一番の節約でもあります。

ただ、計画通りにお金を残して暮らしたとしても、急に病気になったり、認知症になってしまったりとトラブルが起こる可能性があります。それに備えるためにも、蓄えは残しておきたいものです。ゆっくりと節約をし、蓄えから補填する金額を例えば5万円減らすことができると、5年ほど老後資金の寿命が伸びます。

より減らすことができればもっと長持ちします。ですから、より豊かに暮らせるように、大切にしたい部分についてはしっかり支出し、不要な部分にはお金をかけない暮らしをすることが、今必要なことであると考えます。

ぜひ、できるだけ幸せで長生きしていただくためにも、支出について無理のない範囲で見直されることをお勧めします。

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