はじめに
今買うべき魚はこれだ!
そこで、今の時期にスーパーで見つけたら“買い”の魚を教えていただきました。つねに高級魚が安く並んでいるとは限りませんが、漁の状態に相場が左右される魚介類は、店に行けば、想定外の良い魚に出会える可能性もあるそうです。
「今、旬なのはカツオやマアジ、サワラ、メバル、イサキなどですね。マイワシは今はまだ脂が乗り掛けという感じですが、これから梅雨時にかけておいしくなってくると思います」(同)
なかでも、鈴木さん一押しの魚はイサキ。「4月から6月にかけておいしい」魚で、塩焼きや煮付けにしてもよく、もちろん刺身でもいけるそう。
「イサキを刺身にするときに皮をはぐのが大変だったら、お湯をかけて湯引きするといいですよ。硬い皮が柔らかくなって、皮ごと食べられます。
湯引きの方法は、まず3枚下ろしにして、真ん中の小骨を抜いたら、少しななめにしたまな板に、皮を上にして魚を置いて、キッチンペーパーをかぶせる。そこにお玉いっぱいくらいの沸騰したお湯をかけます。お湯をかけたらすぐに冷水で冷やし、キッチンペーパーで水をふき取ります。ウロコを引いた後の皮は寝ていますが、お湯をかけると、かのこ状にピンと立って見た目にもお洒落です」(同)
血の量が多い魚のイサキを買う際に見るポイントは、産地で活〆(かつじめ)をして血を抜く処理をしているかどうか。これで生臭さが違ってきます。
「表面に鮮やかな血がついているものは、産地で血を抜いたものであることが多いですね。または、頭や眉間のあたりに包丁を刺したあとがあれば、ちゃんと活〆がされています」(同)
鈴木さんのもう一つのおすすめはメカジキ。スーパによくあるのはソテー用の冷凍メカジキですが、最近は生のメカジキをよく見かけるそう。
「今、料理屋さんからの需要が減った影響で、生のメカジキが並んでいますね。ステーキ用とかソテー用と表示されていて、切身の形で売られていますが、生のメカジキは刺身にしてもおいしく食べられます」(同)
生メカジキ
刺身で食べるとメカジキは淡白で、ほんのり甘味があるといいます。鮮度の目安も分かりやすく、「鮮度が落ちると、茶色みがかってくる」のだとか。
「鮮度のよい魚を買うために大事なことは、加工日に買うことです。パックに表示された日にチェックしてみてください。加工日の翌日になるとそれだけ鮮度が落ちますから。また、お店に行くのはできれば午前中の方がいいですね。いい魚に出会えることが多いですし、加工してすぐの鮮度の良い状態で買えます」(同)
カツオに関しては残念ながら、noteに投稿した4月12日以降、カツオを釣るために海にまく餌のイワシの稚魚が大きいものしかとれなくなった影響で、水揚げ量が減っているとか。いいカツオがスーパーに並ぶ可能性は以前より低いそうです。