はじめに
「Z世代」を中心にユーザー数が急増
「ビリビリ」は「Z世代」と呼ばれる1995年以降に生まれの中国の若者世代から多くの支持を集めています。ユーザーの75%が24歳以下で、2019年10~12月期の月間アクティブユーザー数(MAU)は前年同期比40%増の約1億3,000万人と大幅に伸びています。
日本のサブカルチャー関連のコンテンツ強化は、新たなユーザーの獲得のほか、競合他社との「製品差別化」を図る狙いもあると思います。そうした中、同社の株価は4月中旬に上場来高値を更新。年初から2020年4月30日までの株価上昇率も約5割に達しています。
一方、この業界では時折、政府当局による調査が入る点はリスクとして挙げられます。4月中旬に江蘇省政府は、「ビリビリ」のほか、SNS系ショート動画サイト「抖音(海外版TikTok)や快手(海外版Kwai)」など18の人気アプリを調査。
子供の視聴する内容などを制限する「青少年モード」が形骸化しているとの見地から、各運営会社にきちんと管理すべきであると指摘しています。こうした材料は一時的に株価の下押し要因になりますが、逆説的には、中国の若者世代の「熱狂」ぶりを反映しているとも言えるでしょう。
<文:市場情報部 佐藤一樹>