はじめに

「オンライン飲み会」で酒屋が好調?

これまでの報道などから、飲食店が打撃を受けていることを感覚的に理解している方も多いでしょう。ここで、飲食店のセクターをより詳細に分析すると、より詳細な消費者の動きを観測できます。

飲食店のうち、「居酒屋」は▲90%と、ファミレス(20年1月比▲76%)、喫茶店・カフェ(20年1月比▲82%)と比べて一段と深刻です。ファミレスやカフェなどについてはデリバリーやテイクアウトが可能です。しかし、居酒屋という業態は、比較的娯楽に近い文脈で整理されるということもあって、特に大きな打撃を被っている可能性があると考えられます。

その一方で、実店舗を有する小売店の中でも「酒屋」が+14%と、ディスカウントストア(20年1月比▲3%)やコンビニエンスストア(20年1月比▲28%)と比べて好調となっています。

ここから、居酒屋で飲酒を楽しむことができなくなった消費者が、ZOOMなどのビジネスチャットツールを活用した「オンライン飲み会」など自宅用に近所の酒屋で酒類を調達しているという動きが推定できます。街の酒屋であれば、オンライン飲み会が突発的に開催されても即座に酒類を調達できる点でECよりも便利であるといえるでしょう。

酒屋が好調な理由は「突発的な飲酒需要に対応できる」という実店舗特有の強みが色濃く出たものであると考えられます。

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