住まい

住宅ローンの繰り上げ返済と貯金、どちらを優先すべき?

FPの家計相談シリーズ

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は深野康彦氏がお答えします。

現在、ネット銀行への住宅ローン借り換え審査中です。9年前に3,130万円を35年ローンで借り、今は残り1,600万円を切ったところ。借り換え時には、1,500万円を借りる予定です。今の悩みは借り換えたあと、下記どちらにするかです。


1:どんどん繰り上げ返済してローンを終わらせる
2:教育費や老後に備えて貯金


夫婦2人とも安定した企業の正社員で勤務14年目、お互い退職金は出ると思います。現在の貯金は700万円程度。老後は夫500万円、私300万円で終身保険に加入していて、60歳まで支払い予定です。


子供は年少と年長で小学校は公立の予定。このあと上の子供が小学校に上がると支出は減り、貯蓄が今までより増えそうです。子供2人の教育資金については300万円ずつ、年払いの学資保険で貯めています。情報が少ないかも知れませんが、一般的にどれくらいの貯金額を目標にしたらいいのかを教えてほしいです。
(30代後半 既婚・子供2人 女性)


深野: 住宅ローンを借り換えた後、教育費や老後に備えて貯金するのか、住宅ローンの繰り上げ返済をするのかで悩まれているようですが、ご質問からみるにあまり積極的に資産運用しようということは感じられません。

結論からいえば、住宅ローンの繰り上げ返済を優先させるほうがよいと思われます。

繰り上げ返済を優先し教育費に備える

まとまったお金が必要な今後のライフイベントを考えると、子供の教育費をあげることができます。教育資金のために、年払いで300万円ずつ学資保険に入られているようですが、学資保険だけですべての教育費を賄うのは難しいと思われます。

通常、学資保険で準備する資金は、私立高校や大学入学の初年度に必要となるお金に充てることになります。初年度以外の教育資金は、毎年のキャッシュフロー、または貯蓄を取り崩して充当しなければなりません。

ご質問者の方の場合は、夫婦共働き、かつ安定した企業にお勤めされていることから、お子さんの教育費負担が重くなる高校、大学の初年度以外の時期は毎年のキャッシュフローで賄うことができると思われます。

その時、繰り上げ返済によって住宅ローンが完済されていれば、キャッシュフローは潤沢なうえ、余裕を持って毎年の教育資金を賄うことができると考えられるからです。

現在30代後半ということで、そろそろ老後が気になるかもしれませんが、ご夫婦の退職金があり、またご夫婦ともに退職時まで正社員で働けば年金もかなりの金額を受け取れることでしょう。

言い換えれば、専業主婦世帯などと比較すると、正社員で定年退職時まで働き続けることが立派な老後の準備となっていることから、老後の準備を最優先に行わなくてもよいはずです。

もちろん、余裕があれば老後の準備を行っても構いません。その際、できれば貯金や個人年金保険などではなく、投資信託などの投資型商品の積立などで準備を始められるよいでしょう。

どれくらいの貯蓄が必要?

また貯蓄額の目標ですが、どのくらいの貯蓄が必要かはご家族のライフプランによって異なるので残念ながら正解はありません。

子供の教育資金を例にあげても、小学校、あるいは中学から私立に行かせる、大学まですべて公立、高校までは公立だが大学は薬学部や医学部へ進学など、進路によって必要額は大きく異なるからです。

ただし、目標がないと貯蓄の励みになりませんので、最後に世代別の平均貯蓄額をご紹介しておきましょう。

金融広報中央委員会が毎年公表している「家計の金融行動に関する世論調査平成28年版」によると、2人以上世帯の平均金融資産保有額は、世帯主の年代によって以下のようになっています。

20代=385万円
30代=612万円
40代=939万円
50代=1,650万円
60代=2,202万円

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