はじめに
コロナで衣料品の購買が変わる
この2ヵ月で急速に日常に浸透したのは「オンライン」ではないでしょうか。オンライン飲み、オンライン学習、オンライン会議とさまざまな局面でオンラインツールが用いられるようになりました。
ここでは特に衣料品の購買の変化に注目していきたいと思います。変化が考えられる要因は大きく2点挙げられます。
まずは新しい働き方による需要の変化です。着々と進められていた働き方改革も新型コロナウイルスを機に急速に進む形になりました。緊急事態宣言中に行われたリクルート住まいカンパニーの調査によれば、2020年4月時点でのリモートワーク導入企業は47%に及んでいます。
厚生労働省の提示する「新しい生活様式」の中でもテレワークやローテンション勤務が推奨されており、従来のオフィスへの通勤が当たり前とされていた状況からリモートワークとの併用が進むのではないでしょうか。その結果、洋服の消費にも影響が考えられます。
たとえばビジネスパーソンの場合、オフィスに行く回数が減るとスーツ・Yシャツを着る回数が減ります。衣服は消耗品ですので、回数が減れば消耗具合も緩和され、買い替えのタイミングが遅くなっていきます。
このようにして衣料品の購買機会が減少していくことが考えられます。実際に4月分の商業動態統計速報によれば、店舗閉鎖の影響などもありますが、「織物・衣服・身の回り品 小売業」は前年比で▲39.8%の低下となっています。
続いて、購入方法のオンラインシフトも考えられます。JCB消費NOWの「EC_織物・衣服・身の回り品 小売業」における年齢別の購買状況を見てみると、年代ごとにバラツキはあるものの、若い世代でのECの利用増加が顕著です。
いままで実店舗に足を運んでサイズや生地の確認などをしていた消費者も、この機会にオンラインでの購入を経験したケースも多いと考えられます。消費者の中での店舗のあり方が変わり、今後はオンラインへのシフトが急速に進むかもしれません。