はじめに
旅行・レジャーは激減、巣ごもり生活で増えるデジタル消費
最後に教養娯楽などの変化を確認しましょう。
外出自粛によって、旅行やレジャーは大きな打撃を受けました。宿泊料(▲94.7%)やパック旅行費(▲96.9%)などの旅行関連支出は9割以上減少し、4月はほぼ消えてしまったと言っても過言ではありません。また、遊園地や美術館などの施設が休業したため、遊園地入場・乗物代(▲97.8%)や文化施設入場料(▲95.7%)の支出もほぼ消えています。
外出型の娯楽が激減する一方で、巣ごもり型の娯楽は増えています。ゲームソフト(+103.0%)やゲーム機(+71.3%)、ケーブルテレビ受信料(+22.7%)、ダウンロード版の音楽・映像・アプリなど(+19.4%)、インターネット接続料(+17.7%)、電子書籍(+14.7%)が増加しています。
巣ごもり生活で増えた娯楽はデジタル系のサービスが並びますが、動画配信や電子書籍、ゲームなどのデジタル系のサービスは、月額定額で使い放題のサブスクリプションモデルが多いため、時間のある巣ごもり生活と相性も良いのでしょう。
なお、ネット接続料のほか、パソコン(+49.9%)が大幅に増加していることから、テレワーク需要もうかがえます。
園芸用品(+17.8%)の増加からは、お菓子作りや裁縫と同様、時間に余裕ができたことで、生活を充実させるために自分で何か作ってみようという気運が高まった様子がうかがえます。
外出自粛生活では、美容面でも需要は外から中へと移りました。休業した理美容院も多かったため、パーマ(▲51.6%)やカット代(▲35.7%)、エステティックなどを含む他の理美容代(▲6.1)が減少する一方、美容家電などを含む理美容電気器具(+22.4%)やヘアコンディショナー(+12.0%)は増加しています。
外出をしないばかりか、外出時もマスクをする生活では、口紅(▲41.1%)やファンデーション(▲34.9%)といったメイクアップ用品も減少しています。「家計調査」のデータにはありませんが、もしかしたら、アイメイク用品だけは堅調なのかもしれません。