はじめに

緊急事態宣言が解除され、東京都でも新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休業要請が全面的に解除されました。ついに日本でもプロ野球が開幕されるなど、徐々にコロナ前の日常が戻りつつあるように思えます。

筆者も対面での打ち合わせが増え始め、電車に乗る機会も増えてきましたが、一時期に比べればリモートワークではなく、オフィスへ通勤をする人も増えたのでしょう。経済活動の自粛により冷え込んだ経済がV字回復することが期待されますが、私たちの消費活動も元通りになっていくのでしょうか。


泣きっ面に蜂の日本経済

私たちの消費活動を見るために、総務省が発表している「家計調査」のデータを確認しましょう。日本の場合は新型コロナウイルスの問題が起こる数カ月前に、消費活動へ大きな影響を与える消費増税もありましたので、増税前後という軸で消費支出の推移をグラフ化したいと思います。

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このグラフは二人以上の世帯における、物価変動の影響も調整した消費支出を示しています。増税前月は駆け込み需要によって、大きく上昇し、増税当月はその反動で大きく下落するというのは前回の増税時も、今回の増税時も変わりません。
しかし、今回の増税後には、本来であれば徐々に回復していくはずのタイミングで新型コロナウイルスの問題が発生してしまったため、むしろ消費が底割れする状態になってしまいました。まさに日本の消費環境は「泣きっ面に蜂」状態にあると言えます。

残業代をもらっていた人たちに直撃

新型コロナウイルスを背景とする企業の業績悪化や倒産に関するニュースを目にする機会が4月頃から増えてきたと思います。日本の場合は企業が簡単に解雇したり、従業員の給与を柔軟に変更することができないため、しわ寄せは主に非正規雇用にいき、正社員の人たちはまだそれほど大きな影響は受けていません。実際に雇用関連の経済指標を見ると、直近で職を失っているのは非正規雇用がほとんどです。

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しかし、厚生労働省が発表している「毎月勤労統計調査」を見てみると、所定外労働時間は大きく下落しており、正社員であっても残業代をもらっていた非管理職の人たちは早くも手取りの収入が減ってしまっていると考えられます。