はじめに

競争を耐え抜けるビジネスモデルか

――ビジネスモデルはどのように評価するのでしょうか。

ビジネスモデルの評価では、営業利益率の高さや、他社との競争環境に耐えられるかどうかといった点を見ています。
とくに重要だと思うのは競争環境についてです。前述した成長性が「攻め」だとしたら、ビジネスモデルは「守り」と考えると分かりやすいと思います。
液晶テレビが良い例でしょう。液晶テレビはニーズが大きく、多くの人がブラウン管から液晶に買い換えました。市場としては成長期で、ニーズも大きかったといえます。しかし、液晶事業に参入していた家電メーカーなどを見ると、巨額の投資をした韓国系メーカーが多少儲かったくらいで、他はどこも儲からずに撤退しています。つまり、価格競争になることを見据えて、その競争を耐え抜くビジネスモデルが作れていなかったということなのです。

――守りに優れたビジネスモデルといえるのはどんなモデルですか。

例えば、サブスクリプションで売り上げを確保するモデルは守りやすいと思います。サブスクを検討する人は、最初に契約するときは複数の商品を比較します。しかし、一度これと決めてしまうと、2回目以降はいくらだったか気にならなくなり、継続的に払っていることすら意識しなくなっていきます。そういう人間の特性のようなところを突いているモデルは守りが強いですよね。

プラットフォームも守りやすいのではないでしょうか。例えば、結婚関連の市場ではゼクシィというプラットフォームがあります。消費者は、結婚といえばゼクシィと認知していますので、情報収集のためにゼクシィを使います。業者側もゼクシィがよく見られていることを知っていますのでゼクシィに情報を出します。すると、さらにプラットフォーマーとしてのゼクシィの地位が固くなります。
そのような視点で見ていくことで、成長市場にいる企業を比較しやすくなると思います。

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