はじめに
V字回復は起こるのか?
ここまで株価が戻る以上、マーケットは世界経済がV字回復すると見込んでいるということでしょう。果たしてそれは本当に起きるのでしょうか?
米国の経済指標をチェックすると確かにすでに大きく改善したものが散見されます。6月5日に発表された5月の雇用統計で、非農業部門雇用者数は前月から75万人減るとの予想に反して250万人増と大きく回復しました。住宅販売件数や企業の景況感指数なども大きく回復してきています。
また、日本企業が発表している月次売上高にも良い兆候が現れてきています。子ども向けの暮らし用品を展開する西松屋チェーンが発表した6月(20日締め)の既存店売上高は、前年同月比33.8%の大幅増となりました。
衣料品チェーンのしまむらが発表した6月の既存店売上高も、前年同月比27%増と大きく増加しました。しまむらの既存店売上高が前年比プラスだったのは10ヵ月ぶりのことです。4月は前年比28.1%減、5月は23.4%減でしたから、まさにV字回復を達成しています。緊急事態宣言中にたまっていた需要が爆発しているというところでしょう。
このようにV字回復は少しずつ起こり始めています。経済がこのあと順調に回復するというシナリオをマーケットは織り込んでいるようです。