はじめに

日経平均株価の年末想定は2万5,000円

日本では5月25日の緊急事態宣言の全面解除を受け、27日には2次補正予算案が閣議決定され、6月12日に成立しました。4月末に成立した1次補正などと合わせ、コロナ対策の事業規模は約234兆円に及びます。GDP比では4割に相当する規模で、欧米に引けを取らないスケールが、今後の日本経済をサポートしていくと期待されます。

一方で日本の企業業績は足元で厳しく、リビジョン・インデックス(アナリストによる業績予想の修正を指数化したもの)はじりじりと切り下がりつつあります。米国のリビジョンが大きく切り上がっているのとは対照的な動きです。4〜6月期の決算発表前後では、日本企業の業績下方修正が増えてくる可能性には要注意です。

ただ、そうした動きさえも、現在のマーケットにはある程度、織り込まれている可能性もあります。市場参加者は足元の業績悪化を半ば必然と割り切り、視線をさらにその先へと向けているのかもしれません。そうした観点で注目される2021年度の業績は、今のところ順調な回復を期待できそうです。

大和証券が直近でまとめた主要企業200社についての業績見通しでは、2020年度の9.5%経常減益予想に対して、2021年度は31.4%の経常増益が見込まれています。2021年度に向けての業績急回復シナリオは、米国との比較でも見劣りするものではなく、日本株のさらなる上昇を正当化するものと考えられます。

これから2020年の後半戦を迎えるにあたり、改めて年末に向けての相場想定を整理してみましょう。日本国内での新型コロナの感染は依然として予断を許さないものの、コントロール可能なレベルにとどまっている印象です。

経済活動も徐々に正常化の道を歩んでおり、政府・日銀の強力なバックアップがその歩みを確かなものにすることが見込まれます。また、牽引役となる米国株の上昇が日本株を後押しする側面も見逃せません。

以上のことから、年末における日経平均株価の水準としては、年初を上回る2万5,000円程度に目線を引き上げるのが妥当と判断されます。

<文:投資情報部 チーフ・グローバル・ストラテジスト 壁谷洋和>