はじめに
住宅ローン繰り上げ返済してもいい目安とは
繰り上げ返済を行うべきか検討中とのことですが、これから2人目も生まれる可能性がある中で、全額を一括返済して手元資金を大きく減らすことはあまり得策ではありません。繰上返済するときは、手元に必要予備資金として、最低でも半年~1年間の生活費と、1年以内にあるイベント費用を残しておきましょう。ご相談者の場合は、お小遣い以外の生活費が約32万円ですので、1年間分は384万円。2人目の出産などイベントを考慮して、最低でも約500万円は残しておくと良いですね。
ローン詳細が不明なのでどの程度返済期間を短縮できるかわかりませんが、大学入学後の教育費負担が重くなるため、17年後完済を目指して期間短縮型の繰り上げ返済を。もし現在の借入金利が1.0%よりも高いのであれば、住宅ローン控除終了を待つ必要はないでしょう。増えるか減るかわからない投資に現在の預金をあてるよりは、確実に利息分を減らせる繰り上げ返済にお金をまわすことをおすすめします。
貯蓄計画を立てましょう
教育資金と老後資金について前段で設定したゴールに向かって、貯蓄計画を立てた例をお伝えします。現在の貯蓄は、必要予備資金および住宅ローンの繰り上げ返済に充てると考え、教育資金と老後資金をゼロから貯蓄する場合の計画としました。
大きなお金がかかる教育資金と老後資金においては、児童手当全額と毎月5万円を積み立てていけば、元本だけでも目標金額に到達することがわかりました。ですので、現在の貯蓄ペースを保つことができれば大丈夫です! 教育資金も老後資金も中長期の積み立てとなりますので、つみたてNISAを増額してもよいと考えます。
また、お子様が3歳になれば保育料も無償化対象となり大きく減りますので、2年後から小学校卒業くらいまではさらに貯められるでしょう。
もし貯蓄ペースが保てなくなったら?
今後の働き方などによっては、現在の貯蓄ペースを保つことが難しくなることもあるでしょう。その時は保険の見直しを。終身保険については、元本割れする期間の解約は損をするため、解約して教育費に使うことはおすすめできません。家計が厳しい時は「払済保険」という制度を使って、保障を下げることによって以降の保険料支払いをストップすることが可能です。また医療保険は、祝金がある分保険料が高いため、祝金のないシンプルなものに切り替えるとよいでしょう。
ご相談者様の今後の働き方も考えながら、定期的に貯蓄額をチェックして、お子様が小さい今の生活も大切にしながらゴールに向かって貯蓄を続けていけると良いですね。
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