はじめに

個人情報を抜き取って、商品を騙し取る

ですが、クレジット情報を盗み取る偽サイト詐欺の被害を防ぐには、利用者にばかり注意を促すだけでは、もはや間に合いません。今、求められているのが、通販サイトなどを運営する企業側の取り組みとの一体化です。

今、個人情報を抜き取ったうえで、本人になりすましてログインして商品を詐取するケースが増えています。企業にとっても、商品が騙し取られたうえに、代金が手に入らないのですから、大きな痛手となります。この背景には、利用者のIDやパスワード、クレジット情報などが知らぬ間に抜かれてしまい、裏サイトなどで売買されているという実情もあります。

まず私たち消費者に必要とされているのは、偽サイトに気づくことと、毎月の利用明細をしっかり見るということです。特にリボ払いにしていると、一定の金額が引かれるので、明細を確認しない人も多くます。これではなりすまし詐欺に遭っていることに気づけません。

とはいえ、利用者側からの対策は、ここまでが限界でしょう。そこで必要になってくるのが、本人になりすました人物が商品を購入したという事実を、企業側に見抜いてもらうことです。これだと、利用者が明細を見るより先に、詐欺行為に気づけます。

つまり、個人が明細を見て気づくのは最後の防波堤であって、企業が先に不正購入に気づくことこそが今、必要とされているのです。

不正ログインを見破るための新技術も

すでに、不正ログインを検知するサービスの提供を行っている企業もあります。「かっこ株式会社」(東京都港区)では、従来のようなブラックリストの照合から詐欺行為を知るのではなく、購入者の「ふるまい」から不正を検知するシステムを採用しています。

現在、約2万のサイトに採用されていますが、より多くの企業にシステムを導入してもらうことで、今、はびこっているネット詐欺に大きなくさびを打つことができるはずです。

急増する偽サイト被害を食い止めるために、企業側の取り組みと利用者の注意を合わせた、総合的な対策が求められているのです。

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